表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突撃砲兵?キチにはキチの理屈がある!  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
9/174

老婆編4

ウンコは3号まで

(?小僧、偶然か、まさか見切った…訳は無いな、動きが素人だ、それよりも?)


 手応えはあった、あったがなんとも妙だった


「うえっ!ゲロロロッ…」


 嘔吐するアルを尻目に老婆はレオンの捕縛縄による拘束を続ける、


 最後に海老反り状態なるように足首、首間に捕縛縄を結束する。両手両足、いずこが動いても首が締まる様にだ。


(さて、馬鹿を殺すか)


 老婆は殺意と共に立ち上がると、店主が震え上がった構えをとる。


大姐(ダージィエ)は素人のこやつの始末に拳を使うことを嫌ったようだが、俺は違う)


(俺達をここまでは侮辱したのだ、許容することは今まで()()()()()()()に申し訳がたたん、顔向けできぬ)


 老婆は故国、清那(チィンナ)の首都において、遨家極拳の次席師範であった。


 だがそれは表の顔で、裏側の顔は暗黒街の顔役であった。


 烈火武后(れっかぶこう)


 必歿女帝(ひつぼつじょてい)


 老婆の二つ名だ。主人格の苛烈で容赦ない闘いぶりからついた名が、前記の烈火武后で、

 副人格の、敵対者を必ず殺す闘いぶりからついたのが、後記の必歿女帝だ。


 そんな物騒な渾名の主が、何故こんな所で堅気(?)の運送屋を営んでいるのか?


 どんなドラマがあったのか?


 長くなるので、ここでも割愛する。ただでさえ尺を食っているのだ。


「さっさと立て、いつまでも吐いている」


 アルは、ヨロヨロとした足取りで、立ち上がった。

 素直である。


(このババア強え…死ぬかもしんない…俺じゃ勝てね…)


 ペッ、と口内に残っていた胃液を吐き出す


「どうした、遺言くらいは聞いてやるぞ」


(けどよ…てめえはよ…俺のよ…)


()()()()()()()()からよ)


(絶対引く訳にゃいかねえんだよ‼‼)


 ・・・馬鹿である・・・


「ババア!よくも俺に()()()()()()なんかしやがったな‼殺す‼‼」


「ずいぶんと個性的な遺言だな」


 ダンッと初動繼歩を踏むと、老婆は瞬間的にアルの懐に飛び込んだ、


 縮地だ。


 その勢いのまま右上段掌底を打ち出した、が、これはフェイント兼視界封じ、


 本命は左中段掌底、狙いは肝臓部位。

 店主が食らったやつだ、ただ今回は繼歩を入れている。


(そう、何度も食らうかよ!)


 アルは両手で顔面をガードした。


(…あれ?ウンコ1号、こっちじゃ無いの?ってイテッ、アガッ‼)


 ガードを吹きとばされる、

 本来フェイントの一打なのだが、図らずとも牽制打となった。


 そのまま鼻の根元を打つ、顔面人中だ、店主とお揃いだ。


 こちらは本来フェイント。発径打(はつけいだ)ではない、アガッで済むダメージだ。


(どっちだよ!遅せえぞウンコ1号!ってヤバいよ左が本命か‼)


 アルの視界には、()()()()()に包まれた老婆の左掌底が見えた。


「ウンコ2号‼‼」


 意味不明な絶叫だ、本当に。


肝径打(かんけいだ)


 言葉通りの意味だ、肝臓を径が乗った部位で打つ、という意味で、掛け声の意味合いが強い。ウンコ2号より常識的だ。


 バスンッ!


 径打が打ち込まれた、凄まじい衝突音だ、アルは鼻血を撒き散らしながら、身体ごとフッ飛んだ。


「なんだと?」


 老婆は構えを解かず大の字になって倒れているアルに相対した。残心にしては警戒が強すぎる。


(なんだ?あの馬鹿みたいな回避挙動は、芯を外す為に意識的に出来る動きではない。()()()()()()()()()()()()限りは、それより…)


「いてててて…生きてる?俺、まだ生きている?」


 アルはのそのそ起き上がると、鼻血を手鼻でチンッと射出した。


「おい、イボ小僧。なぜお前が内硬功(ないこうこう)を使える」


 前述したが、内硬功の使用は発径が必須だ。

 発径は別に極拳の専売ではない。他流派でも形や用法は違えども存在する。


 そもそも道法(ダォファ)の聖王歩が源流だ


 5000年も昔に実在したといわれる聖王が、治水工事の際、大地を鎮めるためにしたとされる歩行法が、後に聖王歩と呼ばれた。


 聖王歩で、大地とやりとりする流れは、経絡と呼ばれる。


 これは運動エネルギーだけでなく、血流や気脈、大地の地脈、地力といった医学とオカルトが混合したような概念だった。


 道法では不老不死に至る基本修行として活用されていた。


 豊葦原国のスモーウなる闘技のシコも、道法の聖王歩の影響が強いだろう。


 スモーウの闘士は、元々は豊葦原国の神々に仕える神人であり、

 地鎮、浄めの為に、聖王歩をシコと形を変えて、神事に活用したのだろう。


 アルは老婆の問いにこう答えた。


()()()()()()()()()!!!」

ふと思ったけど、字伏せって必要かね

ウ○コとかウン○とか○ンコとか?

老婆編次回完結します。かね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=752314772&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ