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突撃砲兵?キチにはキチの理屈がある!  作者: 蟹江カニオ 改め 蟹ノ江カニオ
1章
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鳥兜、あれ!

キチがちらほらと。

 大体話はまとまった。

やはり代金は着払いとなった。その場合、本来なら保証人が必要なのだが、


この市街の執政官長の実子であり、軍発行の身分証と階級が信頼の元となった。


「さて…」


 あまり喉も渇いてはいなかったが、せっかく店主が茶を淹れてくれたのだ、口にしないのも失礼だろう。


 茶器を手にした。香りからしてハーブティーだろうか?


「あ!」

「あれ!」


 同時に声がした、

老婆とアル青年だ。店主はハーブティーを片手に、いぶかしげな目だ。


 行動は老婆が速かった、

書きかけの契約書を放るや、私の手から茶器をひったくりアル青年めがけて投げつけた。

この間一秒を少し切る。


 頭部に命中!熱湯が窓に向かって飛び散った。


「アチャー‼‼てめえ糞ババアなにし…」

「この糞ボンクラ‼‼左のコンロのやつは出すなっただろが‼てめえ客を殺す気か!!」


 老婆は店主を怒鳴り飛ばした、だが殺意はアルに向いている。


「あん?ママ、台所で味見したけどうまかったぜ」店主はいぶかしげだ


「馬鹿野郎‼そこの馬鹿始末するため鳥兜の根とハーブを煮出してたんだよ‼チキショー手間が無駄んなった‼‼」


 ・・・絶句


「てめえ!糞ババア‼飲んじまったじゃねーか‼オゲーゲロゲロ」

 店主は喉に指をつっこんで吐きだした。


「汚ねえな‼外いって死んでこいや‼」


「おいおい、鳥兜マジじゃねーかよ、親子で狂人か、業が深けーな、ザマァ」


「うるせえ!元たどりゃ全部てめえのケツが悪いんじゃねえか!殺す、てめえごとケツコロス!」


「しぬ…俺今日ここでしぬ…」


「馬鹿は死ななきゃつうしなあ、死んどけや」


「こうなったラ、ミナゴロシだー‼‼‼」


 老婆がキレた、後は一方的だった



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 暴力の化身。そんなありきたりな表現では形容できなかった。


 これでも士官学校を出た軍人だ、格闘技術の習得は必須だ。


 ゴリラのような武術教官から、


 拳と体捌(たいさばき)のみで闘う拳闘術。


 組手と関節技で闘う格闘術。


 拳闘術と格闘術に足蹴術を交えた総合格闘(そうごうかくとう)術。


 基本三闘術を叩き込まれていた、だから戦闘眼はあるつもりだったが…。


 何と言うか、武技の系統が違うのだ。

二人の男は本気で殴りかかっているが、(いい年をした大人が老人相手に…とは思えないほど、技量の差は隔絶していた)


 老婆とは闘いの間合いが違っていた。老婆の間合いは相手に張り付くほどに近い。


 店主は拳の距離を取りたがるが、老婆はそれをさせない。店主のバックステップの動作に合わせて踏み込むのだ。


 踏み込みの体重移動に合わせてのショルダーアタック、狙いは心臓周辺。


 バックステップの限界点、後方に流れる重心を前面に戻す刹那の時に、

老婆の肩が心臓にカウンターをいれる。瞬間的に血流が乱れ店主の息がつまる。


 カウンターにより再び重心が後方に流れた。


 つまり後ろによろけた、


 よろけた距離を更に老婆は詰める、ほぼ零距離からの肘打ちだ、

動作的にはショルダーアタック直後に重心を落とし、足腰のバネを使ったジャンピングアッパーだろうか?


 ただアッパーと違い攻撃部位は硬い肘であり、狙いはみぞおちだ。


「ぐぼっ」


 狙い違わず、みぞおちに深く肘が突き刺さる。

 老婆は密着を嫌い、僅かに間合いを開いた。


 直後店主は激しく嘔吐した。例のアレも全て吐き出しただろう。


 恐ろしいほどの手際だ。

実際老婆が力を使ったのは最初の踏み込みだけで、

後は最初の力をカウンターに使い、

カウンターの反動を足腰でさらに反射したのだ。

また攻撃目標も身体の中心部、

つまり弱点のみで最小限の動きで最大効率のダメージを与える闘いをしたのだ。


「死ね‼」


 老婆は四つ這いになって嘔吐をしていた息子の両耳を掴むと、容赦なく鼻の付け根に膝打ちをくれた。


 哀れ、店主は鼻血を撒き散らして気絶した。

老婆最強伝説

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