十三言目~ボール不信になった~
えぬえるです。この小説が投稿されるころ、私は香川県にいます。バカンスですよ、楽しんでると思います。
こちらの話ではドキドキ♡部活動探索 前編が収録されています。それではよろしくお願いします。
学校が始まって一週間が経った。今日も今日とて電車で登校している。学校までは少し距離はあるものの、電車通学である必要は無いのだが…
「ごめんね、夢の中では起きてたんだよ」
「それを世間では『寝てる』って言うんだけどね?」
シロちゃんは寝坊を繰り返す。朝に弱いというより夜に強すぎるのだ。昨日も丑三つ時近くまで起きていたらしい。
「なんでそんなに寝付けないの?」
「私だって寝たいんだけど…眠気がこないんだよ、誰かに吸い取られているように!!」
「…私、そんなに寝てる?」
「寝てるよ!!昼寝してるくせに夜までしっかり寝れてるんだもん。おかしいじゃん…その眠気私にくれない?」
「あげられるならとっくにあげてるよ」
変わらない日常的会話を終えて学校に着いた。校門を通ろうとしたその時、担任の藤見先生に声をかけられた。
「なんですか?藤見先生」
「あー…2人とも部活とかって決まってる?」
「部活…ですか?」
息の合った姉妹のように2人は声を合わせて言った。
「学生生活を彩ってくれるものだし、出来るなら何かしらやるのもいいと思うよ」
「はぁ……」
一応頷きはしたが、私は部活をそこまでやる気はない。確かにやってみたいとは思うが、それよりもバイトをしてある事に使うことの方が大事なのだ…
「私は部活しないけどマイちゃんはどう…」
「えっ!?」
マイちゃんは目を輝かせながら私の方に顔を向けた。
「今、やらないって言ったの!?」
「い、言ったけど…」
「放課後絶対帰らないでね!!絶対だからね!!」
「えっ…えぇ……」
そのまま断ることが出来ず放課後になった。
「で…どこから部活見学するの?」
「それじゃあ陸上部かな!!私運動は得意な方だし、ちょっと見てくるね!!」
彼女は砂埃を立てて運動場に走っていった。少し静かになったなと思ったその時彼女は私の方に向かって走ってきた。肩で息をしながら彼女は言った。
「陸上部の服、露出しすぎ!!」
「…走りやすくするためだし仕方ないでしょ」
「あんな格好じゃなくても走りやすい服あるでしょ!?」
「えっ…あ、うん……」
「私は無理!!あんな服嫁入り前の女子が着れるものじゃないよ」
「高校生以下の女子全員ダメじゃん」
「サッカー部見てくるね!!けっこう強いチームだったはずだしちょっと見てくるね!!」
「へいへーい」
彼女はまた砂を巻き上げて走り去った。彼女は少しその練習風景を見ていたが、すぐに帰ってきた。
「異次元すぎた…」
「強豪チームだし、私も見てそう感じたよ」
「まるでイナズ…」
「おいバカ」
「野球部だよ!!私、振り回すことは得意なんだよ!!」
「たしかに得意だね、よく振り回されてるからわかるよ」
「それじゃあ見てくるねー」
同じように帰ってきた。悲愴感に打ちひしがれていた。
「野球って、ボールも投げないといけなかったんだ…」
「記憶喪失での損失がデカすぎない?」
私達は運動場の部活見学を中断し、体育館へとやってきた。
「じ、じゃあバレー部!!今年度からできた部らしいし私でもできるかも、ちょっと見に行ってくる!!」
彼女は練習を見に行った。その時、相手のスパイクしたボールがマイちゃんの顔にジャストミートした。スタスタとこちらに戻ってきた。
「流れ球当たった…怖い…恐怖症になった」
「かわいそうに」
「あとボール不信になった」
「そんな人間不信みたいな」
「卓球なら身の危険は少ないし、初心者大歓迎って書いてるし、なんとなく面白そうだから見てくるね!!」
「ボール不信克服早いな」
中略
「ちょっとやらせてもらったんだけど全然思った通りに飛んでいかない!!」
「そんなすぐ出来るものじゃないし」
「あとさっきから打ち損ねたボールぶつけまくってごめん」
「私がボール不信になりそうだよ」
「うーん、いい部活が見つからないな…」
「それなら文化部見に行ってみれば?面白そうな部活色々あったよ」
「そうか、文化部なら活動時間も短そうだしバイトと両立できてシロちゃんも参加できる!!」
「えっ?」
「それじゃあ文化部も見に行こう!!」
「えっ…ちょ、ちょっと待って…」
私は引きづられて校内に戻っていった…。
今回はギャグ多めでお送りしました。明日も多めでいきます。お覚悟を。
何もドキドキしてないのにあんなタイトルしたのはギャグ多めという伏線です。わかるわけがない。
次回は部活動編後編となります。感想や意見質問などありましたら感想ページまたはTwitterからお願いします。活力になりますのでぜひとも。
それではえぬえるでした。また次回。
Twitter→enu_eru