十二言目~大丈夫、現世だよ~
えぬえるです。Mrs.GREEN APPLEに絶賛ハマり中です。ウォンテッドウォンテッド。
可愛い子達がでます、よろしくお願いします。
「ねぇシロちゃん!!」
「マイちゃん…なに?今宿題してるんだけど」
「シロちゃんは犬と猫どっちが好き?」
人類はなぜかこの二択を人に問う。自分はこの二択にはめっぽう弱い。その理由は…
「ど、どっちも好き…」
「えぇ〜!?どっちかに絞ってよ!!」
「絞れるわけないでしょ!?まず犬は従順で飼い主の愛をたくさん受け入れてくれる!!まさに愛の権化よ!!しかし猫は飼い主の愛をすべて受け入れようとはせず奔放に生きる!!でもご飯の時だけは素直に近づいてくるの…いわゆるツンデレってやつ!!」
「いや…多分それはツンデレじゃない」
はぁ…とマイちゃんはため息を漏らした
「何でいきなりそんな質問してきたの?」
「あー…えっとねぇ……」
マイちゃんはわかりやすく目線を逸らした。その目線の先には昨日までは無かったダンボールがあっ…て……う、動いてる?
「なに!?そのダンボール!!」
「へぇ!?あっ、私知らないなぁ!!」
「知らないわけないでしょうが、ガン見してたじゃない!!」
「ガン見…?」
「見つめてたってことよ喪失少女!!」
「あー!今馬鹿にしたでしょ!!」
「したわよ!それがなに…」
その時突然目の前が真っ暗になった。目が閉じたのではなく何かが上に覆いかぶさるように…
「うっ!!な、何…?」
何これ…重いけどふわふわで…人肌のように暖かい…まさか…!?
「ちょっとルー!!まだ出てこないで…いやっ、ちょっと舐めないでよあはははは!!」
何が起きているのか分からなかった。目の前にいたのは同居人のマイちゃんと…柴犬、そして…アメリカンカール?
「えっ…?」
「大丈夫大丈夫!!喧嘩してたわけじゃないから。もー大丈夫だってば!!ちょっとスナック、そんなに舐めないでよ〜!!」
思いがけない楽園に私は一つの結論にたどり着いた…
「私、ついに死んだ!?」
「大丈夫、現世だよ」
「現世ならなんでこのアパートに女神なワンちゃんと天使なネコちゃんがいるの!?」
「あー、それがね…」
彼女は頬をポリポリとかきながらら説明した。短絡的に言うと店長の友人が飼っていたペットを引き取ったそうだ。しかし店長は仕事であまり世話をすることが出来ないから
「あなたがOKしたってこと…?」
彼女は冷や汗をかきながら小さく頷いた。
「あんた馬鹿なの!?第一餌とか誰が買うのよ!!ゲージとか猫用の高いポールは!?そもそもそんなのうちに置けないでしょ!!」
「餌とか遊ぶものは全部店長が買い揃えてくれるって。場所は確かに狭くなるけど…だめ?」
うっ…確かにうちに犬と猫が住めば最高の場所になる…でも…でも……
「だめ…なの?」
そんなキラキラした目で見ないで…!!そんな目で訴えかけられたら…!!
「い、いい…よ」
「やったー!!ルー、スナック、よかったねー!!」
「いいけど…一つだけ条件がある!!」
「なに?」
「名前…変えよう」
「えぇ〜なんで!?」
「名前が適当なのよ!!柴犬だからルー〇柴繋がりでつけてるでしょ!?猫だってアメリカン『カール』だからスナックって…安直なのよ!!」
「えぇ〜?前の飼い主さんがそうつけてるんだしいいんじゃ…」
「だめ!!もっと気品があって可憐な名前にしてあげないと!!」
「例えば?」
コホンと咳払いをして髪を耳に乗せた。
「ワンちゃんはそのくりくりした目とピンと立った耳が可愛らしいわね、アントワネットで。ネコちゃんは目付きの悪さと揃った毛並みが可愛らしさをグレードアップさせてるわね…エリザベスとか似合いそうね」
「ルー、スナック。これからよろしくね」
「ちょっと無視しないで!!何に不満があるの!!」
「不満しかありませんが!?」
この騒がしい空間を見てルーは思った。
(この子たち…俺たちの世話出来るのかな)
この騒がしい空間を見てスナックは思った。
(あの子…宿題終わるのかな)
時計の短針は11を指した。元気なウグイスは今日もホーホケキョと鳴いていた。立て掛けた時計も負けじとコンコンと音を鳴らしていた。
もう動物ってものが好きで好きで…大抵何か書くともれなく動物もついてきます。
ルースナコンビをよろしくお願いします。
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それではえぬえるでした。また次回。