十言目~負けて故郷に帰りな!!~
えぬえるです。2人の仲の良さが発掘できる回です。よろしくお願いします。
今日は日本に来てから初めての休みだ。この街のこともまだ詳しくないし…
「今日は外に出て買い物でもしますか!!」
「…外見て言ってくれる?」
「今、現実逃避中だから無理」
外は細い線を描きながら落ちていく雨。一昨日も雨で今日も雨なのだ。
「何もやることないね…」
「ゲームでもする?」
「もうあるゲームは全クリしちゃったよ…」
「やりこみすぎでしょ…じゃあ格ゲーしようよ」
「格ゲーね…ちゃんとゲームの記憶はあるの?」
「忘れてたら『格ゲー』なんて言葉忘れてるでしょ!!」
「上等、手加減なしでやらせてもらうよ!!」
私とシロちゃんとのゲーム大会が勃発した。
「使用キャラは相変わらずパワー重視だね…」
「そっちこそスピードタイプじゃん。腕は落ちてない?」
「それは落ちてるよ、1ヶ月ぶりだよ?」
「ふーん…それならこの私が勝たせてもらうよ!!」
「そんな大口もここまでだ!!故郷に尻尾巻いて帰るがいいさ!!」
「尻尾を巻く?」
「あー…前言撤回、負けて故郷に帰りな!!マーガレット・ホワイト!!」
「そっちこそ負けて泣くんじゃないよ!!日向 苺!!」
腕前は予想通り互角だ。長年一緒にやり続けていたゲームなのでそうなるとは思っていた。
「なかなか決着がつかない…」
「ならここでやるしかないようね!!」
「まさか…アレをやる気!?」
「決着を付けるためならいとわない…!!モード反転!!裏コード…」
「シロちゃん!!」
「ヴアァァァ!!」
「それをしたら私が…!!」
シロちゃんのキャラが半透明になり、自分に少しずつダメージが入っていく。
「おぉうりゃぁぁ!!」
「私が…!!」
「あと…1枚ぃぃ!!」
相手のアッパーが決まり、私はみごとに敗北した。
「よし!!私の勝ち!!」
「私が勝てるわけないでしょバグ使われて!!」
「なんか…試合硬直しすぎてて味気なかったから…」
「味気ないからって不利にさせるのもどうかと思うけどね?」
「あっ見て!!晴れてる!!」
外はいつの間にか日が出ていた。
「ねぇ、ちょっと今から外に出…」
マイちゃんは頬を膨らませてムスッとしていた。
「…ごめんね、外行く?」
「…行く」
時間は12時。2人は昼ごはんも兼ねた街探検を始めることとなった。
ゲームやる時こんなテンションの人たちっていますよね…僕なんですけど。
あとそこまでダサくない範囲であるものをパロったのですが、気づいた方はおめでとうございます。何も無いですが。
次回はドキドキ!!街探検回です(ドキドキ感は多分ない)お楽しみに。
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