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2番目

作者: 芥屋 葵


好きな人がいる。

愛されている自覚もある。


でもその人には私より長く付き合っている彼女がいる。


私は二番目というわけだ。


気まぐれな性格で、私のところにくるのはいつも突然で、私は振り回されてばかり…。


おかげで私は予定が立てられないし、、立ててもいいのだが、気まぐれな彼の気まぐれなタイミングには応えたい自分がいる。


周りの人からしたらおめでたい頭の女…というレッテルが貼られると思う。ふと一人になった時にはいつも思う、なにやってるんだろうって。


「別れて」なんて言えない。


「今日来て」なんて言えない。


“今の関係”が壊れるのが怖い。これが本音だ。


もし彼が1番目の彼女より2番目の私のことが好きで、私の方になびいてくれるかもしれない。逆もまた然りである。もちろん理解はしているつもり…

だから怖いのだ。


聞かない、言わない、本音という本音を隠し通した関係がお似合いなのかも知れない。


時に不安にもなるし、もしかしたら2番目ではないのかも、それ以下なのかもしれないと思う日もある。

でも良いときは週のうち3日は私のところにいる彼だから、勝手に妄想して私は2番目だと自負している。


私から気まぐれや我儘は言わない、彼を疲れさせない為に。


家に来ることがあればその時は思いっきり甘える、オン-オフはしっかりとするのもマナー


もどかしい距離感にも戸惑いがあったのは最初のうちだけで、今はこの距離感さえも愛おしい


私自身がモテないというわけでもないが、どうしても心の中から彼を払うことが出来ないのが事実で、今日もそのずるい笑顔でずるいことを言う彼に動揺してしまうわけだ。


「なぁ、今日・・・行ってもいい?」普段呼ばない私の名前をそのずるい声で呼ぶ


「どうぞ」なるべく短い返事をして感情が悟られないようにする私は必死だ。


横になってしばらくしてから静かな寝息が聞こえる

その優しい顔に私は自分を見失いそうになる

比べられない本命の彼女と私は何が違うの?

どうしたら私は選ばれるの?


心に隙ができるとすぐに考えてしまうから、私も横になる。考えるよりも彼の鼓動だけ感じていたい。

聞かない、言わない この関係を守る。

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