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色欲の悪魔 Ⅱ

第一話は重弘茉莉さまの「怪異と乙女とチェーンソー」にて公開されております。

2話が私、またリレーして次に私が書くのは4話なので、併せてお楽しみくださいませ。

 繁華街を夜に歩く二人の美少女は、苛立っていた。


 幸か不幸か見た目が外国人であるために、観光のように見られているのだがその正体は”殺戮の天使”


 人間ではない。


 悪魔を封印していた”悪魔の鏡”が割れて以来、千年以上人間世界に降りて人間を食い物にする悪魔を駆除し続ける天使たちの1組だ。


 それぞれが任務を追って二人一組で行動し、世界を回って駆逐する。


 しかし今は、何十人目かのナンパを英語と日本語以外の言語でやり返して追っ払っているものの、目標は見つからないせいで余計に殺気だっていた。



「ああ!!腐敗なわけ!!東京ってどうしてこう、邪悪なわけ!?全然ターゲットの気配が辿れないじゃないの!!」



 コードネーム”アリス”が八つ当たりにように叫ぶ。


 相棒の”チェシャ猫”が人見知りのせいで、ナンパのたびにアリスの背後に逃げ込むのがアリスの手間を増やしていた。



「たかだが人間にいちいち怯えないでよ、っていうか”浦島”の馬鹿。知らせるのが遅いのよ!犠牲者が増えてくのにこんだけ手間どってたら何年かかるわけ!?もうテレビで騒がれてるのよ!」


「赤ずきん……にも、手伝ってもらって……」


「何言ってるわけ!こんなことで赤ずきんさまの御手を煩わせるようなこと……って、ああ!!あの馬鹿狼を使えばよかったわけ!男が狙われるならアイツを囮にすればよかったわけ!」


「見つけて倒した雑魚は……浦島に報告……してる」



 暗闇に同化しそうなゴシックファッションの中で、チェシャ猫の携帯が光る。


 アリスもチェシャ猫も大きな楽器ケースを抱えているが、中身は楽器とは程遠かった。


 物騒な対悪魔用武器をそれぞれケースに収納しているのだ。



「あ……」


「なんなわけ?」


「浦島から、連絡……日本の警察に協力しろって。”ラプンツェル”経由で」


「警察~?天使の加護もない人間が、どう悪魔を倒せるってわけ?」


「警察が依頼をしてる……”怪異のプロ”がいるって……」



 アリスは顔をしかめた。


 過去に自称霊能力者などは大勢見てきている。


 しかし、その能力の本物だったものはほんの一握り。


 その上に人間で対抗できる悪魔などたかが知れている。



「プロって言ったって、そいつらにどうあたしたちの話をするわけ?天使ですって言って通じるとでも思ってるわけ?浦島の馬鹿ったら余計なことしかしないわけ」


「……実績……たくさんあるから……って」


「ふぅん、実績ねぇ」



 甚だ信用していない口ぶりで復唱したアリスは、ふと足を止めた。


 先程車に乗っていた二人組から何か違和感を感じたのを思い出したのだ。


 繁華街の中に渦巻く悪臭という名の人間の悪意で感覚が麻痺しかけていたが、さっきの二人からは何か違う気配がしたのだ。



「チェシャ、そのプロって、男女の二人組?」


「うん……兄妹だって……」


「名前とか、デイライトに書いてるわけ?」


奏矢そうやジョン、奏矢そうやジュリ……」



 踵を鳴らすようにして方向転換したアリスに、チェシャ猫が怪訝な顔で飴をなめながら続いた。



「戻るわけ!!さっきの小娘を問い詰めて……!」



 来た道を全て戻る必要はなかった。


 さっきの違和感の相手が向こうから二人を追いかけていたのだ。


 ショートの黒髪で碧眼の主と、アリスの視線が合う。



「まさかアンタが奏矢そうやジョン、なわけ?」


「それは兄さんよ」


「アリス……ジョンは男の名前……」


「わ、わかってるわけ!!これは、その、冗談よ!!いいから忘れなさい、奏矢そうやジュリ!!」


「何故名前を知っているの?貴女たちは何者……?」



 アリスの懸念は当たっていたらしい。


 浦島の手回しの悪さで、警察と連携していても”怪異のプロ”とやらにまで話が通じてなかったのだ。


 どうしたものかと爪を噛んだアリスをじっと見つめるジュリに、背後から細道ぎりぎりに車を走らせてきた兄の声がかかる。



「ジュリ、今電話がきて、SIT3から協力者が二人いるって……あれ、もしかして」


「その協力者、のようね」


「SIT3が何かは知らないけど、まさにソレなわけ!!……って、アンタ、随分引き連れてきてくれたわけ」



 チェシャ猫が楽器ケースを開けると、無言のまま愛用のモーニングスターを取り出した。


 アリスもおもむろにケースから釘バットを引き抜く。


 ジュリとジョンは、とんでもない武器を出す二人をやや唖然として眺めた。



「あら、この武器が見えてるなんて”怪異のプロ”とやらも中々なわけ。滅多に見える人間には遭遇しないけど」


「……囲まれてる……一体じゃない……悪魔、殺す……」


「兄さん、武器を早く!」



 アリスとチェシャ猫の様子に、ジュリも異変を悟った。


 ジョンを急かすと、慌てて車内からジュリのチェーンソーと自分の銃を取り出す。



「アンタらが周辺を歩き回ったのとあたしたちのせいで、おびき寄せたちゃったわけ!馬鹿にされたもんだわ、簡単に倒されるわけないわけ!」



 チェシャ猫がモーニングスターを軽々と振り回しながらアリスの背後を守る態勢に入った。


 ジュリはチェーンソーを構え、ジョンもマガジンを確認しながらセーフティを外す。



 濃密で甘やかな闇が一挙に四人に押し寄せてきた。



アリスとチェシャ猫のスピンオフに、重弘茉莉さまの主人公たちを描けて、もうアドレナリンが!

重弘茉莉さんは私の師匠というか、この人の影響なくして赤ずきん連載が生まれてないというか。

(その代わりに私の趣味に引きずり込んでいる)

ダークファンタジーと怪異のホラー要素は私の作品なぞより何歩も上をいっております。

どうぞブクマか私のレビューから、師匠のサイトへ飛んで第一話を御覧ください。


そして重弘茉莉さまの作品から拙宅にいらっしゃった方、いらっしゃいませ!

こんなリレーでなんですが、引き続きお楽しみにしていただければ幸いです!


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