異世界は夜都
第2話やっと投降できました!今更ですけど小説を書くのって難しいです。(笑)
塵一つの無い暗闇に男が意識無く倒れている。その場所は何も無い筈なのに足場あり、明かり一つ無いのに視野が利く不思議な場所。倒れる男は目覚める前兆なのか小さく呻く、それが止みしばらくするとゆっくりと目を開けた。男は、綿貫幸人は上半身だけ起こすと周囲を見渡も、眼に映るのは暗闇ばかり。
「、、ここは何処だ?」
疑問を口にしてみるも応える相手は居なく、自身の記憶を探り始めた。
「確か俺は、、、。そおだ、俺はビルから飛び降りたんだ。ん?こうしてここに居るって事は俺は生きてるんだよな?でもあの高さから落ちて助かるのもおかしいし、体が綺麗過ぎる。」
幸人は自身の体に傷一つ無く、服さえも飛び降りたときのままで傷んでいる様子はない。その事から一つの予想が頭に浮かぶ。
「じゃあやっぱり俺はあの時死んで、ここは死後の世界とかか。そういう事ならこの変な暗闇も不思議に思えない、、、って、流石にそれは無理があるか」
「いえ、正解ですよ?」
「うぁっ!!」
幸人は突如の背後からの声に驚き前へ飛びのく、慌てて声の方向を振り向くとそこには優しく笑うい黒い着物を着た女が立っていた。
驚きすぎて変な声が出たな、恥かしい。てかさっき見回した時には居なかったよな、見落としたか?それにしても綺麗な女だなぁ、黒字に金の刺繍が入った着物や赤みが掛かった瞳は眼を引くけどなにより特徴的なのはあの銀髪。染めてるにしては随分と自然な色合いに見えるな。
突如背後に現れた銀髪で和服の美女、腰に届きそうなほど長い髪を和風な髪留めで括り片肩から前へ流している。女の姿に注視して無言で居る幸人が驚きのあまり放心していると勘違いをした女は、先ほどの笑顔が消え少し不機嫌そうな表情に変わった。
「あの、急に声を掛けた私に落ち度はあったとは思いますが。いくらなんでも驚き過ぎではないですか?そこまで驚かれると流石に傷付きます」
「あ、ああ、わるい。周りに人が居ないのを確認した後で余計に驚いてしまって。俺は綿貫幸人、よろしくな」
「私は夜都乃神月々(ヤトノカミツキヅキ)、気軽に夜々(ヤヤ)と呼んで下さい。こちらこそ宜しく御願い致します。幸人さんと呼んでもよろしいでしょうか?」
「好きに呼んでくれて大丈夫だよ、それにしても珍しい名前だな。それで夜々、早速でわるいけど質問なんだけど。さっき正解って言ってたけどどういうことだ?俺は今の現状が何一つ分かってなくて、だから知ってることがあれば教えてくれ」
「私は幸人さんが口にした質問に対して応えただけですけれど?」
夜々は何一つ疑問を持つ事無く応える、幸人は自身の予想が外れていなっか事が肯定され困惑する。
本当に死後の世界なのかよ、そういうの全然信じてなかったから違和感がすごいな。てゆうか夜々のことを信じていいのか?確かにこの暗闇の世界?みたいなこの場所は現実的ではないけど。
「その顔は信じ切れていないという感じですね。では証拠、と呼ぶには少し違いますが幸人さんの常識ではありえない物をお見せしましょう」
夜々はそう言うと拍手を二つ打つ、すると周囲の闇が晴れ今までとは違う景色が現れた。同じ暗闇は合っても先ほどとは違う夜の暗さ、夜空には満月か浮かび景色を淡く照らしている。照らされるのは街並み、ほとんどを木材で作られている建物達は江戸時代という言葉しっくりくる景観だった。その中でも一番目を引くのは中心部に位置される場所に建つ城、流石に高層ビルより背は低いが慎ましくも貧相さを感じないつくりは巧みの一言だった。突如眼前に広がった景色幸人は驚きのあまり呆然とする。
「どうです、これで少しは信じる気になりましたか?」
「あ、ああ。流石に目の前でこんな事見せられたら、少なくともここは俺がもといた世界じゃなって事は分かったよ」
「完全に信じたというわけではないようですが、まぁいいでしょう。とりあえずここでは落ち着きませんから私の城へ向かいましょう、細かいことは歩きながら話すとしましょう」
「私の城ってあれの事か?夜々はお姫様か何かなのか?」
「いえ違いますよ。姫などよりもっとすごいです」
夜々は得意げにそう言うと城へ向けて歩き出し、幸人は慌ててそれについていった。城への途中で長屋や商店の様な建物の前を通り過ぎる、どれだけ歩いても人1人会わない事を疑問に思い幸人は夜々へ問いかけた。
「なぁ、さっきから誰にも会わないけど廃村、というか廃都なのか?それにしては建物とかに痛んでる様子がないけど」
「この世界にはもともと私1人以外いませんよ?今は幸人さんを含めて2人になりましたが」
どこか嬉しげに話す夜々が気になりながらも頭に浮かんだ疑問を口にしてみる幸人。
「この世界って夜々のいう死後の世界って事か?だとしたら俺みたいな死人がたくさんいそうなものだけどな」
「先ほどはそう言いましたが正確にはここは死後の世界ではありません」
「は?じゃあここはどこなんだよ、俺は死んだんだろ?」
「ここは私の世界でして特に名前などないのですが、そうですね今後は夜都とでも呼びましょうか。ちなみに名前の由来は私の名前とここの夜に終わりが無いという理由です」
「終わらない夜ねぇ、ますます現実離れって感じだな。それにしても安直だな、いいのかよそんなに適当名前で?」
「憶えやすくていいじゃないですか。それにこの世界に来客が来ること自体がそうそうありませんから、格好をつけてもしょうがありません」
夜々は意外と適当な性格なのかもな。てか、そうそう来る事がない来客の俺ってなんなんだよ。
「まぁ夜々がいいならそれでいいよ。それで、どうして死んだはずの俺は夜都に居るんだ?」
「はい、私が連れて来たからです」
「それじゃあ説明がたらな過ぎるだろ。もっと詳しく、死んだ俺をどうやって、何処から、どうして連れて来たのかを教えてくれ」
「幸人さんは細かいですね、あまり細かいとばかり言っていると長生きできませんよ?」
今まで前を先導していた夜々がそう言って不服そうな表情を幸人へ向ける。
お前が適当すぎるんだろ!って、いちいち突っ込んでも話しが進まないからなぁ。てかこいつ、さっきから徐々に俺への気遣いが薄れていってないか?
「ではそんな細かい幸人さんの為に説明をしますと」
我慢だ、ここは我慢だぞ俺っ!
「先ほどから話しに出てくる死後の世界はこことは別の世界にあり、そちらには幸人さんの世界で死んだ人がこことは違い沢山います。幸人さんも死んだ際その世界に行くはずだったのですが、死んだ瞬間に私がその魂を速やかに攫い夜都へ連れて来て魂を元に体を復元、転生させました」
さらっと言ってるけど、突っ込みどころがあり過ぎる。魂とか転生とか、こんな状況じゃないなら絶対信じないだろうなぁ。それに攫ったって、魂相手でも犯罪じゃないのか?
幸人の内心など知るよしもなく夜々は話しを続ける。
「それで攫ってきた理由ですが、一つの世界を滅ぼすのを手伝って頂きたくて来てもらいました。簡単に言うと私と2人で世界相手に戦争をしてほしいという事です。2人、、いい感じですね!」
「意味わかんないら!」
我慢し切れなくて突っ込んだけど、もう無理だろ!世界と戦争?意味がわからんっ!てかなんで少し嬉しそうなんだ!?
「世界と戦争とか、仮にそれが本当だとしても無理に決まってるだろ!相手がどんな規模でどの程度の軍事力か知らないけど少なくとも国はあるんだろ?だったら数億、数十億人は居るんじゃないのか?そんな相手に勝てる筈が無い!それともこっちにもそれくらいの人数でも居るのか?」
怒鳴様に訴える幸人に対し夜々はどこか嬉しそうに応える。
「いえ、先ほどから言っている様に私と幸人さんの2人ですよ、ふぅたぁりっ!まぁ大丈夫ですよ、私も一様神様ですからきっとどうにかなると思いますし。、、あ、話している間にお城に着きましたね。とりあえず中に入りますか」
幸人は話に必死で気付くのは遅れたが、いつのまにか大きな城門の前にたどり着いていた。夜々は城門に据え付けられている潜り戸から軽い足取りで場内へ入っていく。
「おい、まだ話は終わって」
幸人の言葉に足を止める事無く夜々は場内へ入っていった。
「、、、マイペースかよっ!!!」
城門の前では幸人の虚しい叫びが響いた。
第2話楽しんで頂けたでしょうか?第3話は出来るだけ早く出せるように頑張りますので楽しみのして頂けたら幸いです!!