新任教師
僕は面食らっていた。
これほど面食らうという言葉が当てはまるものもあるまい。
「君には魔術師になる才能がある。そしてその力は常人にはできないことができるんだ。」
では何か、魔法か何かが使えるのだろうか。
あの火を出したり、念力を使ったり?
まるでアニメのような話しじゃないか!
そして僕は、薄々は勘付きながら今回の『貧血』事件との関連性を疑っていた。
「・・・先生、僕が倒れたのは関係がありますか?」
「・・・?何のことだ?」
どうやら先生は知らないらしい。
若しくはとぼけているのか、どうなんだろう。
今朝起きたことを話すべきなんだろうか?
僕は今朝の通学途中に起こった事を、この新任の先生に話してみた。
するとどうだろう、先生は何やら考えを巡らし、何か思い当たったようだが話すか話さないか迷っている様子だった。
だが結局は話さないらしい。
その代わり、このようなことを言った。
「いや、今は知らない方がいいだろう。
きみも最初のうちから色々と災難だったね。
ただ、これだけは伝えておかなくちゃだめだね。」
「君が思っているほど、魔術師の世界は狭くないってことさ。」
うん、それ聞いてなんかヤバい事に関わっちゃったことが分かるよ。
そんな訳で、僕はこの先生に色々と教わることになったんだ。