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始まり

「腹減った。」

僕は今、腹を空かせている。

2日前から何も食っていない。

水は飲んでいる。

水を3日も飲まなかったらそれこそ死が近づいているだろう。


事の発端は些細なことだった。

僕はいつものように、学校に行く支度をしていた。

朝7時半には起きて、制服に着替え、用意されている朝食を食べに1階へ降りる。

「おはよう」

母へ朝の挨拶を交わす。

「おはよう、そうちゃん。今日はちゃんと起きれたみたいね。」

言っておくが、僕はちゃんと時間通りに目を覚ます。

ただ、ベッドの中でまどろんでいる時間がちょっとばかりあるだけだ。


外はどんよりとした色で、曇っているのがすぐに分かった。

僕は朝ご飯をたいらげると、一緒に持ってきてあった鞄を肩に掛けた。

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

いつも通りに声を掛け合い、玄関を開け、見慣れた道を通っていく。

学校までは徒歩で行ける距離で、大体20分はかからないぐらいだろう。

こうして朝を歩いていると、なかなか気分が良いものだ。

これが夏だったり冬だったりすると、暑かったり寒かったりするのだが、

この時期はいい感じに寒さで引き締まり、なおかつお日様の熱がいい感じに温めてくれるのだ。


暫く歩いていると、交差点が見えてきた。

信号機が赤色から青色に変わるのを待つ。

何台か車が横切り、横切る車がいなくなった時点で信号機が赤色に変わった。

ん?赤色に変わる?

今まで赤色だったから待っていたのに、なぜ赤色に変わるんだ?

これは目の錯覚か?

だって、ほら、向こうから人が歩いてきているじゃないか。

きっと僕の目がどうにかなったんだろう。

僕は特段、何も考えず、呑気に考えていた。

そうしている間に、知らない男が向こう側から歩いてきた。

変に思われるのもアレだから、僕もその横断歩道を歩き出した。


その男は黒いフード付きジャンパーで、黒いズボンを履き、黒い革靴を履いていた。

手はズボンのポケットに入れている。


普通は、挨拶の一つもしないうちにすれ違っていくところなんだが、

その男はすれ違い様に何かを呟いていった。

「?」

気になった僕は、通りすがったその男を不審がるように振り向きながら視界に入れた。

すると、立ちくらみにでもあったように目が回り、倒れてしまっていた。

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