表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生き地獄

作者:

簡単に纏めて仕上げました

何だこの終わりはと思うと思います。

死にたい━何度思ったことだろう

唇から血が出て左耳が聞こえなくなるまで

殴られた後、押し入れの中から声を押し殺してでも啜り泣く

妹の声が嫌でも右耳から伝わってくる

母は父の暴力に見兼ねて蹴られている時に僕達を残して

逃げて消えた・・・。僕達を残して

そんな母が居なくなった家で益々父は暴れた

まるで居なくなった母を探すように僕は耐えるしかなかった

妹を暗い押入れに押し込め父の暴行に母の裏切りに

母がいなくなってから酒を買うのも父の欝憤を晴らすのも

皆、僕の仕事にさせられたそれでも足りない時は何度も蹴られ

叩かれ良いサンドバックになった

歯が折れても顔が醜く青ざめて晴れていても父は僕を裸にさせ

僕の(ケツ)の穴に自分の股間を押し込んだ

そうして母のいない寂しさを父は僕で紛らわせた

父はとうとう働かなくなった手が震えていても

『酒』と言って暴れだす、妹は裸足のまま

泣きながら飛び出した僕は只管蹴られ

叩かれそれでも少ししか開かない両目で父を見た

父は恐ろしい鬼のような顔をして僕に暴力を振るう

「助けて・・・」小さな声だけ虚しく部屋に響いた

其処にお巡りさんがやってきた妹は裸足で交番に駆け込んだのだ

酒に酔っっていた父はお巡りさんの前で暴れた

その場で父は後からきた数人のお巡りさんに連れて行かれた

そして、僕達は施設に入ることになった

妹は最初とても人見知りをしていた自分の部屋から

夜な夜な抜け出し僕の部屋へやってきた

其処で僕達は何度も声を殺して泣いた何で泣いたのか

泣いている理由すら判断出来ずに

妹は大きくなり食品会社の工場内で働き

僕は請負会社の部品の工場で働きだした

二人で狭くて古いアパートで暮らすようになり

何もかもが此れからだった時、悲劇が訪れた

そう、僕たち目の前に父が現れたのだ

父はそのアパートに居座るようにして

『よくもおまわり呼んでくれたな!』と妹を罵り

暴力を振るった僕が止めに入っても張った押されるだけだった

そんな父をとうとう父が投げ飛ばしたビール瓶で父の後頭部を叩いた

即死だった・・・僕は刑務所の中で何度も母の夢を見た

何時の間にか顔が思い出せなくなっていることに気がついた

そして、小さい妹が現れて顔を隠して泣いている

其処にあの時の僕が現れる嫌でも聞こえる妹の啜り泣く声の側に行き

押入れを開ける僕、「もう大丈夫だよ居なくなったよ」泣いてる妹を抱いて

背中を撫ぜてるあの時の姿の僕が夢の中に出てくる朝、天井に右手を伸ばし

「大丈夫だよ」と呟く面接室で涙を浮かべる妹にただ「大丈夫だよ」って言うことしかできない

妹は自分の為に泣いているんじゃないって事ぐらい僕にもわかる

けれど、ただこの一言を妹の前で吐く以外僕には出来ない

刑務所から出て来た僕に待っていた仕事はホストだった

ただ只管酒を飲んで金の為なら下手な芝居だって惜しまない

ホスト。金がなくなった客には路上で平気で土下座さえさせてしまうホスト。

そして、簡単にその客から金を作らせてしまうホスト

けれど、その中で僕は痛い思いを何度もした

ホスト達に好いように囲まれて金まで取られた

そして、お客までも

一体僕は何のために生きているんだろう?

死にたい━心の中で小さな僕が言っている

『お兄ちゃん大丈夫?』目覚めると家の玄関に僕は倒れていた妹の声で

目覚めると玄関の時計は仕事に行く1時間前の時間になっていた

『無理しないで』仕事から帰ってきた妹が僕を不安そうに見て言う

「大丈夫だよ」僕に出来ることは妹を守る事と何をしてでも稼ぐ事だ

彼女が恋をしていい結婚するまで彼女の結婚資金だって必要だ

俺は母親みたいに裏切れない・・・

だってこの世にたった2人生まれて来た命だから



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ