1/1
プロローグ
俺の名前は、永筆秀光。
とあるレーベルで、そこそこ売れている日常もののライトノベルを執筆している。
だが、ある日目を覚ますと――――――
「お、おい! ここは、何処だ!?」
県営団地にある自分の部屋から、見知らぬ人の木造と思われる建物に移動していた。
所謂、「異世界」というものか。
「おはようございます」
この世界でも公用語は日本語なのか……。
それはともかく、俺は何故この場所に居るのかが理解出来ない。
本当に異世界に来てしまったのか?
まさか、誘拐でもされたんじゃないだろうな?
とりあえず俺は、誘拐や異世界移動の可能性を、目の前にいるメイド服の女性に聞いた。
「おい! ここは何処の、何という地域なんだよ!?」
「此処ですか? 「アブノーマ」のラユビッツ大陸にある、ペイミーという国の初代国王である故・ナチル=ペイミー1世様の屋敷です」
知らない単語ばかりだ。
とにかく、ペイミーだのナチルだのラユビッツだの、言い間違えるととんでもない目に遭いそうな名前ばかりという事は分かったのだが。
「そもそも、なんで俺が此処にいるんだよ!?」
「使命、です」
「使命?」
「この世界では、魔王の勢力が幅を利かせております。その勢力を、貴方が打ち砕くのです」




