冷静に素数
俺はYesをタッチした。
その瞬間、強烈な目眩が俺を襲った。
立っていられない。俺は床に這いつくばる。
…床?
俺は赤竜に乗っていたはずだが?
《―――不――介―を感知―――た―攻――――ラ――動。排――殲滅―――。侵―――外――の神を――します―――》
『黙れ』
薄れ行く意識の中、誰かの声を聞いた気がした。
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頬を風がくすぐる感触がした。
いつの間にか寝てしまったようだ。……待てよ?VRなのに寝るってどういう事だ?
どうやら俺は草地に寝転がっているようだ。
恐る恐る目を開くと、目に飛び込んでくるのは、抜けるような蒼い空に白い雲。
目を周囲に走らせると木々が見える。どうやら林の中の空き地のような所に居るらしい。
四肢に力を籠める。どうやら問題無く動くようだ。
やけに身体が軽い。
…おかしいな。上位級の防具に武器を仕込んでいるから、如何にVRでもそれなりな重量があるはず…
「なんだこりゃ!?」
俺の装備が、無い!剣も無い!!
どうなってる!?スタン(?)してる間にロブMobに剥がされたとでもいうのか!?
待て。落ち付け…冷静に、冷静に素数を数えて落ち着こう…
―――とりあえずここは何処か確かめねば。
さっきまで赤竜に乗っていたはずという不可解な点もあるが…
林の中の空き地という事は間違ってはいないようだ。
しかし、ここは一体どこなんだ?どこかのダンジョンの中か?
まぁ、メニューでマップ開けば一瞬か。
そんな事を考えながら振り返ると、
竜が居た。




