DATE:7.2 食の快楽 (*危険です)
書いてる人もチョットこれは…と、思ったので、危険注意です。
『僕』が、巨大プリンに襲われるので、嫌だと思う方は飛ばしてください。
DATE:7.2 食の快楽
(↓大丈夫な人はスクロール)
仰向くように顎を固定された僕は、後ろから抱き締めてくるふわふわと柔らかい、けれども力強い腕に、動くことさえできずにいた。
腕から広がる高過ぎるほどの体温が、僕の身体に熱を伝え行く。
驚きに声をあげかけ開いたままの口の中に、少し冷めたい濡れた柔らかいものが侵入し僕の舌を舐め上げた。
高級なアイスクリームのような滑らかな舌触りに僕は思わず舐め返してしまう。
舐めると冷たく美味しい甘さに、頭の芯まで痺れ夢中になってしまった。
体は熱いのに舌は冷たいんだ…。
もっと舐めようとする僕をからかうように、甘く冷たく濡れた舌は歯裏をくすぐり始め、与えられる刺激の…そのもどかしさに僕は震えた。
ただキスをされているだけのはずなのに、甘すぎる痺れは背骨を溶かし腰までたどり、服にこすれる肌の感覚さえ敏感なものへと変えて行く。
引き出されて行く快楽が、無理な姿勢の苦しさも、呼吸もままならない息苦しさも、舌をきつく吸われる痛みも、全てを痺れる甘さに変えて…。
甘く長く続けざまに与えられる快楽に切なさがつのり、その苦しさのあまり涙がこぼれた。
『やめて…』と、あげた悲鳴も声にはならず、鼻を抜けて子犬が甘えるような鳴き声になって耳に届く。
けれども冷たく甘い舌と熱く柔らかな腕が離れた時、今度は逆に力の入らない腕を求めるように差し出してしまった。
濡れた瞳に定まらぬ思考、痺れた体に甘い熱。
『もっと…』と。
それしか考えられない…。
口の端からこぼれるものに気づく余裕さえもう無かった。
喉元から口の端までこぼれたままのそれを舐めとられ、乱れる呼吸に切なすぎる吐息が混じる。
顎を抑える暖かな手にさえ鋭くなった感覚は快楽を拾い、身じろぐこと…それ自体にさえ、体が全身で快感を訴える。
深い深い口づけに、僕の意識は半ば飛んだ状態だった。