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堕ちた。その地は、段ボール




「ここは…?」

男が目を覚ますと、辺りは段ボールだらけの世界だった


地面も木も、雲すらも段ボールでできていた


「タックルさん~、突然立ち止まってどーしたんですか?」

3歩前を歩いていた女が話しかけてきた。服装はスーツを着ていて、賢そうな見た目をしていた


「お、おう…」

今俺が変なことを行っても、相手にされないだろうと思い、取り合えず向かっているところまでは何も言わないでおこうと思う。


「それにしても、妙ですよね…」

女は眼鏡をくいっと上げながらつぶやいた


「な、なにが…?」

俺はどのように、話せばいいかわからなかった。


「……??」


「お、おい!なんだよっ、突然顔を近づけて!?」

女は突然、俺にキスをするかのような勢いで顔を近づけてきた


「なんかタックルさんおかしいですよ…?」


「えっ、そうかなぁ~?」

俺は内心焦っていたが、どうにかごまかそうとした


「だって、昨日から突然起きた、段ボール事件。こんな違和感、赤ちゃんだって気づきますよ…

それに気づかないってどういうことなんですか?!一応タックルさんだって探偵なんですよ!」


「あ!あ~そのことな。もちろん気づいているよ。…てか、俺探偵なのか…?」



「お疲れ様です!!タックルさん!評判は聞いてますよ…!」


「あ、はい…」

俺は気づいたら、ある建物に着いていた。あの女にぶっ叩かれてから、記憶が曖昧だ…

俺はこの世界でタックルという名前で探偵をやっているようだ。今回は殺人事件としてこの場所に来た。ということらしい…それで俺は…


「おーい!タックルさーん!!聞いてますかー!」


「お、おう。ごめん、考え事してたわ…」


「もう…早く事件現場に行きますよ!!」

一応、助手であるこいつに連れられて、現場へと着いた


「鑑識のモトベです。凶器は、石のような凸凹したもので、一撃でしょう…

その凶器も回収されおり、指紋や足跡も残されおらず…計画犯の可能性が高いでしょう。」

そうモトベが言っていたが、何一つ頭には入ってこなかった


「つまり、被害者は何らかの形で、被疑者に恨みを持たれており、命を取るために、この場へと来たと。」

助手の女がそうつぶやいた


「タックルさんは何か違和感は…?」


「えっ?んん~、どーだろうなー」

俺は考えているふりをして、周りを見渡した


「それにしても、この部屋散らかってるな~」

箪笥の引き出しや、カーペットがひっくり返されていた


「確かに…襲ったときに、乱闘になって周りのものが散らかった。とかですか?」


「乱闘になっただけでは、あんな離れた箪笥まで行くとは思えないし、石で一発なのに乱闘になることなんてあるのか…?」

こう見えても俺は、こんな段ボールだらけの世界に来る前には、科捜研の女や相棒を死ぬほど見てたんだ。推理には自信がある。


「確かに…さすがタックルさん」


「つまり犯人は、盗みを行うために、この被害者を襲った。ということでしょうか…」


「あぁ。俺もそう思う。しかし、盗みのために一般人を殺すとは…」


「何悩んでるんですか…?早く()()やってくださいよ!」

助手の女は期待した目で俺を見ていた


「あ、あれぇ…??」

アレなんていわれても全くわからん。もったいぶらずに言ってくれればいいのにな…


「何、分からないフリしてるんですか!ちゃっちゃとやっちゃってください!」

女は早くやれと言った態度で俺の手を引っ張った


「お、おい、ちょっと待ってくれよ!」

俺の手は女に引かれ被害者の隣にあったハンカチに触れた


女は不思議なぐらい静かになった。何かに期待しているのか、何かに緊張をしているのか。

俺が何かするのを待っているのははっきりと分かった


「な、なにも起きないけど…」

俺はズレたハンカチを元に戻そうと手を伸ばした。その時、


???「お前!濡れてもねぇ手で触んじゃねえよ!!」


「えっ・」

その声に驚き、言葉が出なかった。その声は確実にハンカチから聞こえていた

もう一度手を伸ばしてみる


「だから、そのシワシワの手で触ろうとしてんじゃねぇよ!!いてこますぞ!!」

子供のような声がまた聞こえた。その間ハンカチを凝視していたが、見た目が変わることはなかった


「タックルさん、何かわかったんですか?」

女は俺の驚いた顔を勘違いしたのか、興奮気味に聞いてきた


「あ、ちょ、ちょっと待ってくれ」

俺はトイレへと駆け込み、用を足してから戻ってきた。そしてもう一度ハンカチへと手を伸ばした


「よぉ。今回はちゃんと使ってくれそうだな?」

ハンカチの声は、大人のような低い声になっていた


「ここで何が起きたか、教えてくれないか?」

俺は手の甲を拭きながら聞いた


「俺の主人がその女に殺されてたのは見たぞ~。そんだけだ。」

ハンカチは満足そうにそう言った。


「は!>女って俺の隣の…?」

俺はその言葉に面弾が飛び出そうだった


「ちげぇよ。ドアの隣で下を見て泣いてる女だよ!もう乾いただろ!触んじゃねぇ!」

ハンカチはまた子供の声に戻って、口を利かなくなった


「ドアの隣の女って、被害者の奥さんじゃねぇか…」






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