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詰将棋

宙域を示す天体図を囲み、話を進めていく。


「さて、もう彼らは宇宙に全て出てきた、と考えていいかな」

「はい。地上については迎賓館や研究施設含めて全て制圧済みです。神鳥とされる知的生命体もいますので、送り込まれたシンジケート員以外はいないでしょう」

「あいつらは随分と政治的にもばら撒いていたので、シンジケートの失墜により政界のパワーバランスなどで荒れる可能性はあります」

「うむ。そのあたりはあとで手伝ってくれ。君の政治や統治能力は非常に高いから頼りにしている」

「まあ、その辺はお任せください」


そうなんだよね。こいつ、政治家になればいいぐらいに隠し事暴くとか得意なんだけど。現場仕事の後始末はこいつに任せるのが一番。


こいつは地域住民に優しい政治をしてくれそうだから、老後はこいつが統治する国や星で過ごしたい。食事にあまり興味がないのが玉に瑕だけど。


「ふむ、探索ブイが増えてきたね。だいぶ警戒されているかな?」

「なかなかいい探索ブイですね。動きが素早い」

「一点突破狙いな動きをする前段階だな。穴を探している」


天体図はリアルタイムを表している。

動きは筒抜けだ。当たり前だが、連邦軍とシンジケートでは装備が違いすぎる。


「このまま海の藻屑にしたいが、まだ中に「実験対象」がいるんだね?」

「ええ。神鳥さんが教えてくれました」

「さらに「人間」案件ですか。周りのブイを減らして囲み、突入せざるを得ない」

「めんどくせーな」

「まあまあ。白兵戦も嫌いじゃないし、危険手当もつくからね」

「今回の事件が解決したら、私の就任祝いも兼ねて「ディッセン」で貸切はどうかな?」

「タダ飯?」

「タダ酒、だよ。もちろん」

「部下たちも?」

「連隊全員は入りきれないから、一品か一杯サービスで勘弁してくれないか?」

「いや、さすがに冗談ですよ。第3連隊は75人もいますので」

「しかし、培養脳クラスでも食事は楽しいだろうに」

「はは。確かに。じゃあ、頑張ったやつらには俺らから手当に一品追加で」

「知的生命体に対する差別は好きじゃないんでね」

「だから先輩は宙域担当者にふさわしいんでしょうね」

「さあな。だが「差別嫌い」なんでね。「人間」だろうと容赦はしないよ」


会話をしながらも、相手の探索ブイは削られている。

あと90分後には航路が開ける計算。


「そろそろ、こちらもでますね」

「ああ、頼んだ」

「アイアイサー」


じゃあ、行きますか。

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