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表紙を飾る誇り

青と緑と黄色に輝く惑星を覆う小惑星帯の帯に「それ」はあった。


「ほんと地味だな」

「まあ、麻薬シンジケートがネオンサイン掲げて大々的に宣伝してたらさ、問題だよね」


シャッ!


管理区域に近づくと自動ドアが横にスライドする。開いたドアの向こうには、立体天体図が浮かび、そのそばに「キャプテン」が、明滅して示される味方艦隊の配置を指示していた。


「お疲れ様です」

「いや。今日は交代式に出ただけだから。「巣穴」は見つけてあるけど、もう見た?」

「いえ、まだデータは未確認です。先輩にまで手を貸して貰ってすいません」

「気にしないで。この地域の問題だから、ちょうどよかったし、助かった。こちらこそありがとう」


今年、この宙域の副担当者は俺達の先輩だった。

星単位の交代式には正副どちらかの宙域担当者が参列するのが習わしだから、先輩に要請して予めこの星の周りの確認や流通経路の確認と星単位では終わらないところを手伝って貰っていた。だいぶ助かった。


「まあ、なんだ。相変わらず君たちは元気だな。私の2年の任期の初めにこの騒ぎだと、これからの2年間がより楽しみになっている」

「あんま、揶揄わないでください。今回はたまたまです。本当に助かりました。森を焼き払いたくなかったので、宇宙に逃すのは、先輩がいたからできました。感謝しています」

「パトロールして、地域住民の話を聞いて決めたんだ。ならそれがいいのだろう。まあ、私も「君たちには負けない」とはいえないが、有名な第三連隊のお役に立てたなら何よりだ」

「何言ってんすか、先輩。先輩の方が全然有名人じゃないですか」

「そうですよ」

「はは。お世辞とはいえ、ありがとう。では、そんな先輩の、きっちりお片付けを手伝ってくれるか?」

「もちろんです」

「じゃあ「合同演習」を始めよう」


明滅する緑色の艦隊に、赤いマーカー。

さあ、今日の夕飯は何にしようかな。

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