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感謝の言葉

「まあ、まだまともな政治家さんが証拠集めを手伝ってくれたので、意外と早く書類は集まったんで」


おい。まだまともって言うなよ。

こいつはこれだから。


「まだまともなのが残っていてよかった。今回の件はぜひニュースにしてくれ」

「もちろんです。連邦軍が遅かったからと事件を伝えないのは連邦民の知る権利を侵害することになります」

「マザーのおかげか、結局、連邦ができて、連邦軍ができたおかげでよっぽど住み易くなった。私が子どものころは勝手な思想で掠奪や権利を奪われ、特権階級だけが人権を認められた世界だったんだ」

「マザーという、絶対的な特権は「階級」じゃなくて一身専属、マザーの下に平等な社会にシステム」

「ドロップアウトしてもよし、真面目に生きてもいい」

「真面目に生きることを、他人の人権を侵害するものは我々連邦軍がマザーの名の下に排除する」

「おかげで薄給であちこち転勤」

「おい?」

「ははは。まあ、給与は連邦系賃金の中央値と決まっていますが、各種手当があるので、それなりです。さ、今日は飲んで騒いでお祝いしましょう!」


神鳥さんがお酒に目を落としてしまう。大丈夫、お酒代ぐらいは出せます。先輩のフォローが微妙すぎたな。


「あ、ここは武装交渉課の解決祝い金で決算出してるんで、気にせず半年間の嫌なこと忘れるぐらい飲み食いしてください」

「あ、ああ。じゃあ、遠慮なく食べさせてもらうか!この野菜のフリッターとか本当に美味しいしな」

「これはこの前立ち寄った星の名産品で糖度14のにんじんですな。この甘さはアイスでも食べれる甘さで」


なんだ、祝い金でたのか。いや、いいのか?それ、お前宛の報奨金じゃないか?・・・ウインクされても、まあ、関係者以外にはわからないからいいのか。そんなんだから貯金貯まんないんだよね、お前。


『ありがとうございました』


唐突に光学文字が降ってきた。

見れば、天井には捕まっていた鳥さん。


隊員達の肩に留まって一緒にご飯食べたりしているから、きていたのはわかっていた。


「救出が遅れてごめんなさい。つらかったよね」

『でも、助けて貰えました。本当にありがとうございます』


肩に降りてきてくれる。頭を合わせると、温かさを感じる。生きて助けることができた。


『あなたがいなかったら、僕たちはあのままいつか負けて死にました。死んだあと、粉々にされてまた次の被害者の罪悪感になっていました。断ち切ってくれて、本当にありがとうございました』


合わさったままの目が泣いている。

本当の被害者をこれ以上、苦しませずに助けることができた。


ああ、努力は報われた

俺は、間違っていなかった

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