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賭け事

なんでだ!なんでなんだ!


「ぐはっ」


あれだけ目に掛けてやったというのに!


『キュエアァー!!』


単なる言葉がわかる鳥でしかないこいつらに「餌」をわざわざ与えて、さらにこの俺を楽しませるという特別な待遇まで与えてやったというのに!!


「おい!いい加減にしろ!!」


『いい加減にするのはあなたでしょうね』

「あ、おい!おまえ!俺を守らせる名誉をやろう!このバカ鳥どもを焼き払え!」

『いーえ?我々は今、あなたを追いかけているだけなので、なかなかあなたが捕まらなくて困ったなー』

「あ?な、ならそっちに、ぐあっ」


く、くそ!この鳥如きが!

わざわざ強かった鳥の「骨粉」を与えてやったのに食べないからと、貴重な「商品」のあの「きのこ」を混ぜた特別な食事を与えて、品種改良をしてやったというのに!


『誰が好き好んで親親戚の亡き骸を食べたいんですかね?しかも麻薬で無理矢理食べさせて。人間様ってのは情けや倫理ってないんですな』


たかが貧相なバカ鳥どもを、ここまで強化するのが、どれだけ大変だったのか!!


『闘鶏だかなんだか知りませんが、同族同士で無理矢理死ぬまで闘わせる。その遺体を敬意なく切り刻み、食べさせる。それを笑って愉しむわ、挙句に賭け事の対象にするとは、いにしえにあった聖書の悪魔さんって奴等の方がまだマシな精神ですね』


さっきから、見てないでいいから助けろ!

「た、たしゅ」

『嫌ですよ?だって』


「ほら、俺、鳥族なんで」


ヘルメットから出てきた鳥頭。

貴様、貴様如き


「あ」

「あーあ、崖から落ちて被疑者死亡ですね」


見慣れた青空に赤い首、虹彩のないガラスに口を開けた俺が映っていた。

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