破滅の混塊、禁断の魔法
「……エントロピック……トランスフォーム!」
ウィックスの周りから禍々しい紫色のオーラが発生し、ウィックスの雰囲気がガラリと変わる
「これがお前の望みかァッ!」
ウィックスは一瞬でグロウの首根っこを掴み取りクロニーへの拘束を強引に振り払った
「イイネェ……ズット見たカッタ……コレが混塊魔法……ッ!」
「どうでも良い、僕にこれを使わせた事を後悔させてやる」
ウィックスはグロウを地面に叩きつけ魔法を即座に詠唱する
「エントロピックバーストォォォ!!」
莫大な数の魔弾が放たれグロウを文字通り粉々にしていく
「食らってクタバレェェェェッ!」
トドメの一発でグロウは塵一つ残さず消え去った
「ウィックス!」
「近寄るな!」
ウィックスはクロニーを止めるとすぐさま尖った黄色いクリスタル胸に差し込む
「はぁ……ハァッ……あ"ぁ…」
ウィックスを包む紫のオーラは消滅し地面に手をつく
「大丈夫?」
「動けない……それとはやくコレを打って」
ウィックスは注射器を投げ渡す
「え……これって?」
「どこでも良い!早く刺して!早くしないと危ない!早く!」
「えっ…あっうん!」
クロニーは困惑しつつも腕に注射を打った
「これ……何?」
「今は答えられないね……このクリスタルの副作用で体が痺れるんだ……もし魔物が来たら……」
グォォッ!
「クロニー……ッ!今すぐ逃げて……ッ!僕は多少食われても平気だからッ!」
ここは砂漠化寸前のサバンナ、飢えた獣どもがわんさかいる、だがタイミングがあまりにも悪い、つくづく運には恵まれ無い
「でも……!」
「早く!うっ!」
ウィックスは腕を噛まれる、が腕にクリスタルシールドを発動させ牙を防ぐ
次はそのままウィックスを引きずり連れ去ろうとする、きっと巣へと持ち去って集団で食い尽くすつもりだろう
「させない!」
バジジジッ!
突如魔物に電撃が走る
クロニーの片手にはクリスタルサイドアームがあった、僕を守る為に……だがコレだけで倒れない、そして怒りの矛先がクロニーに向けられる
「クロニー!サイドアームの再装填を遠隔でする!もう一発だけだ!今度は距離で減衰するけど弱点の炎魔法を入れる!ギリギリまで引きつけて打って!」
「……うん!」
クロニーは少なくとも恐怖をしている、ただそれを打ち克つ勇気を感じた
グロォォォッ!
近すぎても遠すぎてもダメ、今から始まるのは命懸けのチキンレースだ
「私は……役立たずじゃ居られないわ!」
ジィィィン……
突如クロニーの体は空色に光り、魔物は方向を直角に回転し何処へ行ってしまった
「あ……あれ?な……何が……起こったの……?」
「分からない、だが君には特別な力が有るみたいだけど、今は話さないとけないことがある」
「うん……」
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