研究の成果
「……ふぁ……あれ?ウィックス……何処?」
クロニーは目を覚ますがウィックスがいなかった
「何処に……?」
クロニーはドアを開けるとウィックスが居た、そしてそこには様々な研究機器がずらりと並んだ部屋と変わっていた
「おはようクロニー」
「その……ごめんなさい、昨夜で変なことさせちゃって……」
「気にすることないさ」
相変わらずな感じで返す、この人ぜったい見た目より歳取ってる……
「それと……何をやってるの?」
「魔法の研究さ、研究者の朝は早いっ」
「その何をやっ…いたっ!」
クロニーは何かにぶつかり尻餅をつく
「ここは侵入禁止だ、研究の環境を保たなくちゃならないからね、あと僕が居るところも有害だから間違っても入っちゃダメだよ?」
「ウィックスは大丈夫なの?」
「ソウル量と生成の暴力で耐えてる」
「えぇ……」
科学者がこんなんで良いのかと言わんばかりに困惑する
「見ててもいいけど集中させてね、すぐ終わるから」
ウィックスは楽しそうに実験に励んでいた……だけど見つめれば見つめるほど隠そうとして隠しきれない何かを感じた
私は常に人の顔色を伺いながら生きてきた、だからこういうのが何だか分かってしまう、だけどそれは言えなかった、言って後悔した事が多かったからだ
バジジジジッ!
ウィックスの目の前へ電撃が走る
「った!成功だ!」
ウィックスは声を上げて立ち上がり喜ぶ
「何が出来たの?」
「僅かな魔力を込めるだけで結晶内の魔法を放出するクリスタル、名付けてクリスタルサイドアーム!」
「と言う事は……これを使えば誰でも簡単に魔法が使えるの?!」
驚愕だった、何故なら魔法は魔法使いの特権だったからだ、その常識が目の前で打ち破られたのだ
「そうだ、しかも詠唱とか面倒なものは一切要らないからすぐに打てる、まあ使ったら僕が魔法を補充しなくちゃならないし上級以上の魔法は対応していなかったりとか課題が多いけど」
「でも誰でも中級魔法が打てるなら量産すれば売れるんじゃない?!」
「……それは遠慮する、僕は金のために研究をしているんじゃない」
「じゃ…何のために……?」
「過去の自分のため……と言っておくよ」
触れちゃ行けない何かに触れてしまったようだ
「あ、それとこの試作品、君が持っててくれ」
「え?良いの?」
「もしかしたらまた困難が君を襲うかもしれない、その時の選択肢になる」
常に不憫な目に遭っていたクロニーの事だ、次もきっと困難が来てしまうだろう
「分かったよ、ウィックス」
クロニーはクリスタルサイドアームを受け取った
「さっ、そろそろ移動しよう、ここじゃ次の実験も出来ないし暑苦しい」
「えっ?でもどうやって?ここの家を捨てるの?」
「いや、こうするんだ、クリスタルクラミング」
ウィックスの拠点はみるみるうちに小さくなり手のひらに収まるくらいに小さくなった
質量保存の法則は別世界に置いてきた。
ウィックスは小さくなった拠点をバックに詰め込んだ
「うわぁ……すごい……」
「でしょ?これも研究の成果さ、特許を取る気は無いけど、そんなことより出発だ、とにかく砂漠を抜けるまで歩こう、その前に……ギブバッシュクリスタル」
ウィックスは結晶を取り出すとそれは鳥へと形を変えて空へ羽ばたいた
「何を?」
「このクリスタルは様々な生物に姿を変えて操作が出来て視界を共有出来る、それを利用して最短で抜ける道を探しているんだ」
「行った道を戻るとかは?」
「僕は適当に砂漠探してただけだから方向とか分かんない」
「えぇ……」
困惑するクロニーをよそに僕はコンパスを見ながら鳥を操作する
「真上から見た感じ西に住みやすい平原がある、そこに行こう」
「分かったけど……休みは挟ませてね」
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