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第92話
第92話です。
いよいよこの季節がやってきてしまった。
2月14日。
そう。バレンタインデーだ。
リア充と呼ばれる人種の男子はまだ楽しいイベント事だろう。しかぁし!そのリア充という単語の前に"非"が付いてしまう人種はどうだ!そうこの俺のように!ただの地獄でしかないのだ!
もしかしたら今年はチョコ貰えるかも?みたいな淡い期待を抱いて靴箱の中を覗くが何も無い現実を受け入れるのはもう懲り懲りなのだ。
「はぁ……今年もゼロ……」
そう呟きながらパカッと靴箱を開けると中からガサリと音を立てて何かが足元に落ちた。
手に取ってみるとそれは綺麗にラッピングされた箱。
裏を返してみるとそこには「碧染くんへ」と書かれていた。
「……まさか、こんな日が来るとは」
思わず天を拝みながら俺はその箱をカバンにしまいウキウキで教室に向かった。
誰からなのかは分からない。だが、それを確認するのは1人で静かになれる場所でしよう。
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