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第89話

第89話です。

 次の日の朝。俺は深夜に先輩から来ていたLINEを見ると急いで家を出た。

 いつもよりも遥かに早く家を出ているので空はまだ薄暗く、歩いている学生もほとんどいない。

 ひんやりとした空気が体を冷やすが、同時に白い息を吐きながら走っているので体感温度は程よく保たれる。


「はっ、はっ……」


 学校に着きいつも通り校門から入ろうとしたがもんは閉まっていて中には入れない。だが、先輩は確実に屋上にいる。つまりはどうにかして中に入らなければならないのだ。


「裏口なら……行けるかも」


 もう一つの入口めがけて俺は足早に駆けだす。

 外の道路を大回りし反対側まで行くと俺は裏口の扉に手をかけた。

 ノブをひねると抵抗はなくガチャッと音を立てて開く。

 あとはそのまま校舎の中に入り屋上に続く階段を登り続けた。

 一段飛ばしをベースに時々二段飛ばしを混ぜながら上がる。

 吐く息も段々と荒くなってくる。

 そりゃそうだ。家からここまでほとんど休むことなく走り続けているのだから。


「先輩っ!!」


 ドアを開けるよりも前にそう叫びながら俺は屋上に繋がる扉のノブを捻った。


「おぉ、ふぁやかっふぁね」


 ベンチに座っていたのはコンビニの惣菜パンを頬張りながら音楽を聴いていた先輩だ。


「ふぉっふぉ待ってね」


 まだ口の中にパンが残っているのか詳しくは聞き取れない。

 早く飲み込んでくださいとも言いたくなったが、それよりも酸素が欠乏しすぎてそれどころではなかった。


「い……一旦休ませてください」


 弱々しくそう言うと俺も先輩の隣に座る。

 一度目を丸くした後すぐに優しい目付きに変わると、先輩は俺の頭を優しく撫でた。


「お疲れ様です」


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