第84話
第84話です。
「だけど先輩。もう二度とこんな真似しないでくださいね?」
「分かってるよ〜。次はちゃんと加減して何かをしてみるから!」
「そういう問題じゃないですけどね?」
「あっは〜」
反省しているのかしていないのか。おそらくは後者だが、既に過ぎたことだ。ここでとやかく言っても仕方がないし、今後先輩がこんなリスキーな事をしないように定期的に釘を刺すので十分だろう。
「とにかく、今日は家に帰るまでにご両親にする言い訳でも考えておいてください。ほぼ100パーセントで話が教師陣から伝わってますから」
「だねぇ」
「はぁ……何かどっと疲れた……」
ため息を大きく一つつくと先輩が「膝枕したげよっか?」と聞いてきた。
普段の俺ならば喜んで頼みそうなところだが、今はどうにもそんな気分じゃない。
「いや、いいです。今日はもう帰って寝ます」
「むー、せっかくの誘いを断るだなんていけない後輩だ!」
「パワハラですかね?」
「わたくしハラスメントには厳しい方でしてよ。なのでこれはパワハラではなく慈悲とお呼びくださいな!」
「パワハラ先輩」
「ちがーう!」
パワハラ云々のやり取りを終えてから俺は先輩を残して屋上を去った。
学校を出る直前に中庭をちらりと覗いて見たが、やはり先輩の作った特設ステージは残ったまま。一体いつから作り始めたのだろうかと思うほどの規模だが、先生にバレたのが今日の朝なので、割と直近であることに違いはない。
◆◇◆◇
くぁとあくびをしながら耳に流れてくる音楽を楽しむ。
邦楽もいいが、洋楽というのもやはりいいものだ。日本とはまた違ったメロディが心地よかったりする。おそらく本能的な部分に訴えかけてくる音楽が多いからなのだろう。パワフルというか、スピリチュアルというのか。
まぁ、とにかく洋楽がいいと言うそれだけの話だ。
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