第50話
第50話です。
コンビニの灯りを浴びながら、自動ドアを抜けていく。中に入るとコンビニのテーマソングが流れた。店内には店員さんしかおらず、その店員さんもスマホを触って暇そうにしていた。
「私アイス買ってくる〜」
俺の返事を聞くよりも先にピューっと走っていくと、先輩はアイスの置いてある冷蔵コーナーに向かった。
返事くらい待ってくれてもいいのではないかとも思うが、まぁいいや。俺はさっさとコーヒーを二本買わないと。
店内の奥にあるドリンクコーナーに向かうと、俺はよく飲むコーヒーのブランドを探す。こう見るとやはりコーヒーでも、ジュースでも種類が多い。
「何これ。メロンコーラ?」
奇抜なラベルで彩られたメロンコーラなるものを手に取ると、俺は思わずそう呟く。
一度も見たことがないことを考えると、おそらく最近発売したものなのだろう。全く飲もうとは思わないが。
コーラはコーラでいいし、メロンはメロンソーダがあるから、合わせる意味が分からない。
「よいしょっと」
メロンコーラを元の場所に戻し俺はいつも買うコーヒーを二本手に取る。そしてレジに向かうと購入した。
先輩は先に買い終わっていたようで、雑誌コーナーでプラプラと歩いている。
「先輩行きますよ」
「お、了解〜」
可愛らしくビシッと敬礼しながらトテトテと近づいてきた。
あぁ……可愛い。撫でたい。頭をめちゃくちゃ撫でてあげたい。
俺の中には先輩に対しての欲望が高まってきて、危うく本当に撫でそうになってしまった。いや、手は一瞬動きかけていた。
「後輩くんどうしたの?」
「え?」
「いや、ほら。なんか手をワキワキ動かしてるからさ」
「え、あ、あぁ。何でもないです」
サッと背中に手を隠すと俺はコンビニから先に出た。ピュッと吹く風が相変わらず刺すように痛い。
「ふぅ、やっぱり寒いねぇ」
「そりゃ冬ですから」
「まあね。でもそんな時に食べるアイスはなかなか乙なものだよ」
笑顔で袋を顔の辺りで掲げながらガサガサと揺らした。
見た感じ中に入ってるアイスは複数種類が入っているように見える。
「何買ったんですか?」
そう尋ねると先輩は袋を覗いて「えーとね」と呟いた。
「カップアイスが三個と、キャンディ系が二本。あとは高級系のやつが一個だね」
「だいぶ買いましたね」
「そりゃ新年ですから!奮発したのだよ!」
「エッヘン」と胸を張りながら先輩は二ヒヒと笑った。
やっぱり可愛い。
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