第49話
第49話です。
神社から出ると俺達は特にあてもなく歩き出した。プラプラと手を振りながら隣を見る。
「この後どうします?」
「ん?この後の予定?」
「ですです」
「そうだなぁ」
顎に指を添えながら先輩は考える仕草を見せるともう一度「そうだなぁ」と呟いた。
「いや、特に行きたい場所とかがないんなら、解散もありですけど」
「えー、それはなんだかもったいないじゃん!せっかくこの時間に集まれてるんだからさ、もう少し歩こうよ」
「それでいいなら、いいですけど」
歩く道はアスファルト舗装で冷気を反射してきた。おかげで寒さがより一層増したように感じる。
実際の気温がただでさえ低いので肌が非常に痛い。刺さるように痛い。
「寒っ……」
海が近いというのも理由の一つか。冬に匂う潮の香りは何とも言えぬものがある。
「大丈夫?」
「ん、あぁ、大丈夫ですよ。手袋持ってくればよかったなってくらいです」
「そう?ならいいけど。……先輩が手、繋いであげよっか?」
「いえ、結構です」
「えぇ〜!?何で!女の子と手を繋ぐチャンスなんだよ!?」
信じられないものを見るような目で先輩は俺の事を見ながら実際に「信じられない!」と大声で言った。おかげで鼓膜が破れそうになる。
「寒いのは置いておいて、一度コンビニに寄っていいですか?飲み物買いたいんで」
「ん、いいよぉ〜」
「ありがとうございます」
記憶にある近くのコンビニの位置を思い出すと、俺はその方向へと進路を変えて歩き出す。深夜帯でしかも新年明けてから一日目であっても常に開いているコンビニは本当にすごいと思う。店員さんもさることながら、常に商品を運び込む人もだ。本当に化け物揃いだ。俺であれば休みたくなる。
「何か飲みたいのありますか?」
コンビニに着くまでの道のりの途中で先輩に俺はそう聞いた。
「んー、コーヒーかな」
「了解です。無糖がいいですか?微糖の方が好み?」
「どっちも好きだよ」
「じゃあ、俺の好きな微糖にしますね」
そんな会話を延々と俺達は続ける。
目指すは若者の城!コンビニ!
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