第40話
第40話です。大変失礼致しました。投稿する場所を間違えてたんです。
好きな曲をローテーションしまくっていたら時刻は朝になり、そして私達の街に着いた。空はまだ暗い。けれど確実に朝が近づいている感覚がある。
隣にいる後輩の方を向くと私はゆさゆさと揺らした。
「後輩く〜ん、着いたよぉ」
「ん……あと3時間……」
「あははー……」
苦笑いを浮かべると私はおでこにパシッとデコピンを軽くした。
「……ッ。……え、朝?」
しばしばと目を瞬かせると、後輩くんはぼやぼやとした寝ぼけ眼で私の事を見てくる。
「朝だよ〜」
「起きないと……」
「いや、起きてる起きてる。後輩くんすでに起きてるよ?」
どうやら寝ぼけ過ぎて自分が起きている事すらも認識しきれていないようだ。さすがに少し心配になる。
「疲れ過ぎた?大丈夫?」
「大丈夫ですよ……」
そう言いながら「ふあぁ」とあくびをするのであまりにも説得力がない。
やはり慣れない土地に私の都合で連れ出したから疲れたのだろう。ここは先輩らしく労わないといけない。
「よーし、大丈夫そうじゃなさそうだし、あとで私が後輩くんのためにこの柔らかい太ももを貸してあげましょうぞ!」
「ありがとうございますっ!」
「あれ、急に元気になった……」
◆◇◆◇
私達の高校の近くにある大きな公園のベンチに腰かけると、私は早速ポンポンっと太ももを叩いて後輩くんの頭を載せるように促した。
「さぁ、存分に私の膝枕を堪能したまえ!」
こくりと静かに頷くと後輩くんは私の隣にまず座り、そして頭をゆっくりと乗せた。頭をゆっくりと撫でてあげると後輩くんはリラックスした表情を見せる。
「どう、気持ちいい?」
「極楽です」
「それはよかった。私も太ももの貸しがいがあるってものだよ」
右に左にゆっくりと撫で続けていると次第に日は高くなってくる。とはいえ、まだ朝の七時半と凄く早いのだけど。
「本当にありがとうね」
そう感謝を伝えながら私も少し目を閉じた。
寝るわけではない。ただ、少し考えたい。未来の事を。実際に東京に行ってみて感じた事を、あそこで活動していくのだという未来を。
その時にはもしかしたら隣に後輩くんはいないかもしれないけど、でも今日の出来事は間違いなく私の記憶に刻み込まれてる。
無くならない。消えない。
きっとこの記憶はこれからの私の大切なお守りだ。
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