第299話
第299話です。
それからは色々と事が進んだ。
先輩に好きだと伝えた事もそうだし、何より先輩からその後に好きだと言われたのも大きい。ゆえに必然的だったのだ。
まだ俺は風邪を引いていたのでひとまずその日は先輩を家に帰し、俺は体を治すことに集中していた。が、さすがにあんなに望んでいたことが突如として実現したのだ。内心気分が爆上がり状態の興奮状態で、到底寝付けるような精神でもなかった。なので結局先輩が帰ってから1時間ほど目を開いたままベッドの上で横になっていただけだったのだ。
体が治ってから以降はアスナさん達に事情を話す事となった。2人とも驚いたような、いや、というよりもやっとかという反応の方が近いのかもしれない。どことなく呆れ感を感じさせつつ、けれど素直に祝福してくれた。
「先輩が彼女か……まだニヤつくって」
普段は寝てしまう大学の面白くない講義も、先輩と付き合い始めたということを思い出すだけでニヤけてしまい、すっかりと目が覚めるのだった。大学で出来た友人にも彼女が出来た報告をした時には優越感に浸れるしでいい事づくめ。けれどその相手を簡単に口にする訳にはいかないのが心苦しいところだ。しかし、それも仕方がない。先輩のアーティスト人生の足を引っ張る訳には行かないのだから。
「明後日楽しみだな」
明後日がいよいよ先輩の出たテレビの放送日。それを一緒に見る約束を果たす日だ。
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