第298話
第298話です。
ほんのりと照れで頬を赤く染めていく。すっかりからになった厚底の皿を傍らに、先輩は指をモジモジとさせてちらりちらりと俺の顔を伺うように見てきた。
元々可愛いことなんて分かっていた。けれど、その今までの印象を遥かに上回る可愛さで攻められたのだ。こちらとしても心臓が少し持ちそうにない。絶賛風邪によるダメージで弱った身体にはイケナイダメージだ。
「ね、ねぇ……あれだけさ、私の好きな所聞かせてもらった後で悪いんだけど……後輩くんの好きって、友愛的な好き?……そ、それとも、恋愛的な好きなの?」
勇気を振り絞りながらなのだろう。握りしめる両手は力の入り過ぎで白くなっている。
「……もちろん、恋愛的な好きです。それこそ最初は友愛でしたけど、途中からは今と同じ気持ちに」
俺だって別に恥ずかしくないわけではない。鏡を見なくとも分かる。今の俺は間違いなく真っ赤だ。
「そっか……そっかぁ……えへへ」
照れながらも嬉しそうに笑う先輩。髪の毛をくしゃりと触りながら、先輩はまた笑うのだ。
「嬉しいな……こうやって後輩くんに言ってもらえるようになったの」
俺の座るベッドに先輩はゆっくりと腰掛ける。体を起こした俺の背中に体を預けるように先輩は傾いた。
「……よかった。……この気持ち、私だけで終わらなくて」
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