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第27話

第27話です。

 バスを降りてから1時間ほどが経ち俺達はバスに戻った。静かに座席に戻ると先輩は大きくあくびをした。


「さすがに眠いや……」


 眠そうに目を擦りながら先輩はこちらを向く。相当眠いのか切れ長の目はほとんど閉じられていた。


「どうぞゆっくり寝てて下さい。ギリギリになったら起こしますから」

「うん、お願い……」


 そう言うと先輩はほとんどノータイムで眠りに落ちた。あまりの速さに俺は少し驚きつつも、時刻を考えれば当然の事だと思い、今は向こうに着いてからの事を考えることにした。

 予定としては一応一泊二日。向こうで安いビジネスホテルを取って過ごすつもりだが、なにぶん土地勘の無い場所だ。ホテルを予約したとしてすぐに辿り着けるのか怪しい。

 正直言って、俺と先輩が2人してスマホを見ながら道に迷ってる図しか思い浮かばない。


「天……ぷら、もっと食べなよぉ……」


 隣で寝ている先輩はまだ眠りが浅いのか、寝言を発しながら段々とこちらに傾いてきていた。そして、最終的にはコツンと俺の肩に頭を乗せた。


「ふぅ……」


 普段の俺ならば頭を元の位置に戻すのだろうが、今はそうしない事にした。なぜって、先輩がやっと気持ちよさそうに寝息を立て始めたのだから。それを止めてしまいかねない行動は出来ないし、何より嫌な感じは全くしない。


「子供っぽい先輩だよ。ほんと」


 ボソリとそう呟くと俺は先輩の頭をゆっくり撫でた。

 さらりと前髪は少し流れる。手に当たり少しくすぐったかった。



◆◇◆◇



 地元から約7時間ほどかけてやって来た東京。その景色に俺達は思わず口をぽかんと開けた。


「朝早いのに、人多くない?」

「ですね。特にサラリーマン」

「ね」


 そう。とにかく人が多いのだ。右を見ても左を見ても。前を見ても後ろを見ても上を見ても下を見ても!……上と下はおかしいな。うん。

 まぁ、とにかく多いのだ。

 田舎の出の弊害なのか、人が多すぎるとどうしても酔ってくる。視界を蠢く無数の人の影。俺は空を少し見上げて一旦視界をリセットしてからもう一度前を見ることにした。


「で、どうしますか?」

「そうだね。まずは先にホテル取っとこうか。後々取れなくなったら嫌だしね」

「ですね」


 そう言って俺達はよさげな場所を探す。


「ここと、ここなら、こっちの方が安いねぇ。あ、でも高い方が駅に近いのか」

「ここなら、近くに色んな施設とかあって色々便利そうですよ」

「ほんとだねぇ」


 と、そんな感じの会話を繰り広げながら俺達の東京1日目はスタートしたのだ。


ぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!それと次回は22日です。

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