第272話
第272話です。
朝起きると頭がガンガンと痛かった。記憶も打ち上げに行った1時間後辺りから途中から無い。おそらく泥酔状態だったのだろう。
にしても私はどうやって家に着いたのだろうか。そう疑問に思いながらベッドから立ち上がろうとすると、近くに水の張ったコップとボールペンで文字の書かれた紙が目に入る。筆記者は後輩くんらしい。
内容は後輩くんが私をタクシーで送ってくれたことと、鍵は戸締りをするために預かっていること。そして水を飲みなさいということだ。
年下の子に面倒を見られる先輩って如何なものかと思いながら、私は紙の指示通りコップの水をクピクピと飲んだ。頭の痛さは消えないが、気持ち楽にはなったような感じがする。少なくとも胸のムカムカは消えたような気がした。
しかし、私があそこまでお酒に弱かったのは知らなかった。やっぱりほろよい程度でお酒を飲めるなんて豪語してはいけないな。あれはジュースだジュース。
人生初のビールにハイボール。どれも私の体にはまだ早かったようで、想像以上にアルコールが体の中を回ったのだ。
「あ、鍵取りに行くって連絡しないと」
私は後輩くんとのチャット画面を開いて「おはよ」と打った後に鍵を取りに行く旨を伝えた。
早速身支度を、と思ったのだが、その前にシャワーを浴びなければ。昨日はそのまま寝てしまっているのでまだお風呂等には入っていないのだ。
なのでシャワーを浴びる支度をしてから、私は脱衣所に向かうのだった。
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