第271話
第271話です。
料金を払ってから「ありがとうございました」と伝えると、俺はすっかり寝てしまっている先輩の肩を持ってタクシーを下りる。
タクシーを見送った後に俺は先輩のマンションに入った。オートロック式のマンションなのでまずは先輩の荷物の中から拝借した鍵を使ってマンション内に入り、エレベーターを使って先輩の住む階に上がった。夜も遅いためか廊下に人の気配は無く、非常に閑散とした空間になっている。
廊下を進み西条の表札のかかる隣の部屋。表札は赤坂となっている部屋の扉に、オートロックの解除に使った鍵を使って開けた。
中に入ると先輩を玄関の少し段差になっているところに腰掛けさせ、俺は履物を脱がす。そして俺も靴を脱ぐと、再度先輩の事を担いだ。
奥に進んで俺は先輩のベッドの上にそのまま横に倒す形で優しく寝かす。足もしっかりと布団の中に入れてあげたら、体を冷やさない程度にタオルケットもかけておく。
最後に俺は部屋にあったボールペンと裏紙を拝借して、鍵を閉めるために一時的に鍵を預かっておく旨と、俺がここまで連れてきたこと、そしてアスナさん達はホテルに泊まっているという事も記載しておく。
最後に俺は棚にあるコップに水を張り、埃が入らないように軽くラップだけ被せるように載せてから、裏紙に起きたら飲むようにと書いておいた。
先輩の部屋の鍵をしっかりと手に持ったことを確認してから、俺は部屋を出る。鍵を閉めてその外に出ると自分の部屋に向かった。
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