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270/311

第270話

第270話です。

 しばらくしてから呼んでいたタクシーが来てくれる。俺は先輩に肩を貸しながら車内に乗り込むと行き先を伝えた。

 乗ってすぐに先輩はこてんと寝てしまい、今では「くかー」と寝息を立てている。


「彼女さんですかな?」


 突然運転手のおじさんにそう尋ねられた。


「いえ、ただの先輩です。彼女じゃありません」

「そうかい。いや、随分とそこの彼女がお兄さんに心を許してるように見えてね。てっきり恋人かなんかなのかと思ったよ」


 おじさんは笑いながらそう話す。


「確かに、恋人になれたらいいんですけどね」

「お?もしかしてお兄さん、彼女の事好きなのかい?」

「まぁ、一応?憧れの気持ちも大きいですし、それに普通に人としても好きですし」

「そいつはいいな。彼女の要素としてはバッチリだな」


 楽しそうに笑いながらおじさんはそう話し続ける。


「そういや、その彼女さん随分と酔っているみたいだけど、飲み会でもあったのかい?」

「飲み会というか、打ち上げがあったんです。今日音楽イベントがあって、先輩はそこに参加するバンドの1人でしたから打ち上げにも参加してたんですよ」

「お兄さんは?」

「俺はただの観客です。先輩からは先輩のバンドのサポート係みたいな役割を貰ってますけど、それでもまぁ、やっぱり観客に違いはないです」


 そう、俺はあくまで傍観者で聴衆。そして観客以外の何者でもない。


「ほーん。まぁ、俺はバンドの事とかよく分からんけど、お兄さんが彼女の事を好きだってのは分かったから、ひとまずはそれだけでいいかな」


 運転手のおじさんは満足そうにそう言ってハンドルを切った。「あそこであってる?」の声に俺は首を縦に振ってから「はい」と返す。


ぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!次回は20日です。

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