第263話
第263話です。
あとから調べて分かったことなのだが、先輩の参加するイベントはファンの多さや、最近のライブでの実績、インディーズであればそれぞれのグッズの収益などを参考に選ばれたよりすぐりのバンド達らしい。
つまり、先輩達は正式に認められてきているということだ。それも元々の拠点だった大阪からここ東京に来て約1ヶ月ほどの間で。
これがいかに凄いことなのかは、素人でもよくわかることだろう。
そしてこの凄さはチケットのネット予約のところでも顕著に現れていた。
今回のイベントは複数のライブハウスが共同となって行われる。各ライブハウスにそれぞれバンドが常駐し、イベント参加者は好きなライブハウスに出入りできるというものだ。例えばAというライブハウスからBというライブハウスに行ってもいいし、DからBに行ったあとCに行ってまたDに戻るということも可能。
こういった形式をとったイベントな訳だが、中にはどうしてもこのバンドの演奏が聞きたいという人もいるだろう。そういう人のためにある特別なチケットがあり、それぞれのバンドごとに優先席に連れていってくれるものが存在しているのだが、Chatnoirは既にそのチケットが完売していたのだ。他にも完売しているバンドは確かにいたが、けれどそれもひと握りの話。その中にChatnoirはいたのだ。
誇らしさとかそういったものを感じながら、同時にどんどんと大きくなっていく先輩達の背中に、俺は追いつくことが出来るのだろうかと少し寂しくも感じる。
けれど、実力を示すのには、そして皆にさらに注目してもらうためにもこれはいい傾向なのだ。俺がどうこうの話ではない。
俺がやるべきは、先輩達のサポート。
バックアップとかマネージャー的なことは出来ないが、YouTubeでバンドの活動を広めることならなんでもござれだ。
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