第255話
第255話です。
先輩が本拠地としているライブハウスに向かうため、俺は電車に乗った。東京は俺の住んでいたところと違って電車が1時間の間に何本も来てくれるからありがたい。万一寝坊しても何とか間に合うことが出来る。
先輩達Chatnoirは事務所に仮所属という形で現在は進んでいるらしく、しばらくは大阪時代同様にライブハウスにて実力上げと、ファン集めが主な活動となっているようだ。
そしてそのファン集めにはどうやら俺の作る動画も一役買っているらしく、ライブ後には見に来ていた人から「YouTubeの動画を見て来ました!」と言ってくれる人もちらほらいるらしい。それにはなんだか俺も誇らしいなと思うのだ。
そして訪れたライブハウス。時刻は6時で既に受付が始まっている。俺は防音性の高い分厚く重い扉を押し開けて中に入ると、先輩から貰ったチケットを使った。
中に入ると既にたくさんのお客さんがびっしりと入っている。ライブハウス初心者の俺は何をしたらいいのか分からないので、ひとまず飲み物だけ買って始まるのを待つことにした。
プラスチックの透明な容器の中に入ったコーラ。しゅわりと弾ける炭酸をストローで飲みながら、俺は周りの人を見る。メガネの人や、学生らしき女性。いかにも音楽が好きですといった風貌の男性など、見ていて飽きない。
色んな人に囲まれながらただ待っていると部屋が暗転する。そしてステージにライトが照らされた。そこにはいつからそこにいたのか、俺のよく知る3人が立っている。
「私達Chatnoirでーす!!今日もよろしくねー!」
簡単な先輩のMCが入った後にアスナさんのかっこいい重低音のベースが響く。鼓動に直接届くその音に鳥肌が立った。
「一曲目はぁ!START Again!!!」
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