第251話
第251話です。
俺の住む地域は東京のど真ん中から少し離れた所。なので夜になれば田舎ほどでは無いが、それなりに暗くなる。かと言って人の数が減る訳では無いので、案外道行く人とすれ違う回数は多いのだ。
そういや、今日の晩ご飯の事考えてなかったな、と思い出して、俺はそのままの足で近所のスーパーに向かう。この辺りにそこそこの規模のスーパーがあるのは助かる。加えて夜遅くまでやっていてくれるのもかなりありがたい。
煌々と光る電飾に照らされたスーパーの看板を見ながら、俺は自動ドアを抜けて店内に入った。BGMに使用されている最近の曲に耳を傾けながら、カゴを手に持つと俺はまず野菜コーナーに向かう。
東京に引っ越す前に家では自炊の練習をしてきていたので、ひとまず生きていけるだけの料理スキルは手に入れた。なので、それを更に上達させて自分の腹を満足させるのはこれからの話。今日のところは適当な男飯にでもしよう。
「男飯と言えば、やっぱり焼肉のタレだよなぁ」
頭の中では大量の野菜炒めとご飯で食を進める自分が見えている。母親にも野菜炒めは楽だし、おかずに困った時にポンッと出しても困らないから覚えておくといいと教わったかいがあった。
さて、野菜炒めに使う野菜と、パック入りのご飯に加えて焼肉のタレをカゴに入れたところで気がつく。明日の朝ご飯はどうしようかと。
今日の朝は先輩が作ってくれたから何もしなくてよかったが、明日はそうもいかない。これからは自分で作る機会も増えるし、ちゃんと材料は揃えておかなければ。
そう思って俺はパントマーガリンを購入しておく。バターは高いので貧乏学生には手が届かない。
「……牛乳も買っとこ」
レジに向かう途中パックに印刷された牛と目が合ってしまい、引き寄せられるようにして俺は手に取ってしまっていた。
「よし」
買い物を終えた達成感に浸りながら、俺はカゴを手に持ってレジに向かう。
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