第247話
第247話です。
「終わったー……」
ベッドの組み立てと、荷物の整理が終わったのはもうお昼を過ぎてだいぶ経った頃だ。ずっと作業していたせいか肩に疲れが溜まっている。ぐるりぐるりと肩を回しながら俺はゆっくりと立ち上がると、ご飯をどうしようかと思う。
引っ越してきたのが昨日の今日なので、冷蔵庫の中はすっからかんだ。おかげで食べるものは何も無い。となると買いに行くか、もしくは外で食べるかだな。
ちなみにデリバリーという選択肢は無い。送料が少し掛かるからな。
まぁ、外に食べに行く方向でいいか。ついでにバイト先の候補を探す感じで行こう。
財布と鍵を持って俺は外に出ると、近くにご飯屋さんがないか調べる。
「……ラーメンがあるのか。あとは定食屋ね」
これからの大学生活をどちらの方がお世話になるのだろうかと考えたら、多分定食屋の方だろう。なにせ種類が多いだろうから。それに栄養バランスもよさげだし。
目的地を決めると、俺は歩みを進める。……というところで、俺は後ろから声を掛けられた。
「よう京弥」
「アスナさん」
「今からどこか行くのか?」
「今から昼ご飯です。荷物出しとかしてたら食べ損ねて」
「ほーん。なら、私も一緒に行っていいか?さっき起きたばかりだから何も食べてなくてな」
「別にいいですけど」
「ん、ありがと」
そう言ってからアスナさんは俺の隣に並んだ。
寝起きだからなのか、着ている格好は非常にラフ。フード付きの白のパーカーに黒のチノパンといったスタイル。靴はシンプルなスニーカーだ。
「ところでどこに行く予定だったんだ?」
「一応定食屋にしようかと」
「あぁ、あったな。私も行こうとしてまだ行けてないところだ」
そう言ってからアスナさんは「ふーむ」と言って腕を組んだ。
「あそこは人気らしいからな、次にいつ行けるか分からないから慎重に食べるのは選ばないとな」
「人気なのかぁ」
「そうだぞ。そこの店主のおばあちゃんがかなりの凄腕らしく、全部が美味しすぎるで有名らしい」
「美味しすぎるって凄いな」
感心しつつ俺はそれだけ評判のいい所のご飯を今から食べれるのかと思うと、今からまたお腹が空くのだった。
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