第234話
第234話です。
『こーはいくーん。起きてるー?』
寝ている時に手がスマホに触れて出た電話から、先輩の声が聞こえてくる。寝ぼけ眼を擦りながら俺は体を起こして返事をするためにスマホを手に取る。
『起きて……ふあぁ……ます』
『うん、寝起きだね』
『いいえ、ちゃんと起きてました』
『ほんとかなぁ?』
先輩は笑いながらそう尋ねてくる。
『ところで、受験はどうだったかな?と、聞いてもいいのか分からないけど、私は後輩くんを信じて聞くよ!』
『あぁ、受験は結構良かったですよ。自己採点も良さげだったので』
『おぉ、なら良かった!あとは合格を勝ち取るだけだね』
『ですね』
『受かったら先輩が何かご褒美をあげようじゃぁないか!』
聞こえてくる甘美な響き。
先輩からの"ご褒美"!!!
俺は一体何を貰えるのだろうかとワクワクしながら先輩に尋ねる。
『それはねぇ、まだお楽しみに!ここで言っちゃったら楽しい事が半減しちゃうからね』
『それもそうですけど……うーん、気になるぅ』
『あはは〜、今は悶えていたまえ!』
ケラケラと笑いながら先輩はそう言った。
『あ、そう言えば先輩この間大手の事務所から声が掛かったとか言ってましたけど、あれから進展ありました?』
『あー、あれね。一応あったよ』
『一体どんな風になりました?』
『えっとね、所属する条件的なものが提示されてさ、一つは定期的な楽曲提供と事務所の開催するイベントの積極参加。あとは仕事のやりやすさ向上のために東京にメンバー全員で引っ越してきなさいってことかな』
『全員で東京』
『うん。アスナちゃんがまだ高校生だから少し待っててくださいとはなってるけど、私達は一応東京に拠点を動かすつもりだよ』
Chatnoirが拠点を東京に置くということ。それすなわち俺との活動範囲が重なるということだ。
という事はもしかしなくても……。
『という事で、少し早いかもだけどこれからもどうぞChatnoirのサポート頼むね!後輩くん!』
そういう事なのだ。
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