第230話
第230話です。
日がとっぷりと暮れた空の下、足跡の多く残った白い雪道を帰る。
共通テストが終わったためか、ひとまず重たかった肩の荷が降りて足取りは割りと軽い。今日は帰ったらご飯を食べて、風呂に入って先輩の写真を見た後に布団に入っていい夢を見てやろう。それで明日の朝清々しく起きて1日を過ごすのだ。
家に帰ってからやることを決めながら俺はただ帰路を突き進む。手応えは、正直知らん。前半に固まっていた国語と日本史はそこそこ良さげだったが、英語で落としていたらその分はパーになるのだ。だからあとは英語次第。俺にはどうすることも出来ないのだ。
白い息を照らす街頭。電球の頭には雪がのっそりと積もってる。
◆◇◆◇
共通テストには明確に結果をすぐに知る方法があるわけではない。ないわけではないが、基本それは大学の2次試験や私立大学の入試の後のことだ。つまり、基本は自己採点による予測の点数。
「えーと、これは合ってる。これも……合ってる。あとはこの問題も、合ってるな」
順調に正解していく自分の回答を眺めながら、一つの教科の正誤判定が終わる毎に点数を書き出す。
日本史は89点、国語は古文満点の現代文が凡ミスで96点だった。結論から言えば悪くはない。欲を言えば日本史であと5点は稼げそうだが、まぁまぁな出来に落ち着いた感じだろう。英語も極端な間違いをしない限りは大丈夫だ。
「よし、あとは英語だけ、なんだけどなぁ。本番も採点も英語が一番緊張するぅ……」
ほんの少し激しくなる鼓動に苛立たしさを感じつつ、俺は「ふぅ」と息を吐く。
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