第228話
第228話です。
時間の流れとは非常に早いもので気が付けば冬休みも終わりかけだ。共通テストはもう目前。ラストスパートの掛けどころは正しく今なのだが、正直に言って緊張のあまり手が震えて勉強どころじゃなかったりする。
だ、ダメだ……先輩の写真見ないと……。
冬休みの間に帰ってきていた先輩と一緒に初詣に行った時に撮った写真だ。前に行った時はアイスを食べて帰っただけだったので、新年一発目の写真はこれとなる。
にしても、先輩は本当に可愛い。浮かべる笑顔もキラキラとしていて、ほんのりと染った頬は柔らかそう。それでいて白い陶器の様にスっと通った鼻筋はびっくりするくらいに整っている。
いや、にしても先輩に写真を撮らせてもらうお願いをするのはかなり緊張した。
『せ、先輩っ!先輩の写真撮っていいですかっ!!』
初日の出が俺達を照らす中俺は多分太陽に負けないくらいに顔を赤くしてそう言ったのだと思う。先輩は少し驚いた表情を浮かべた後にすぐにパッと明るい笑顔になった。
『いいよ、いいよー!ツーショット?』
『いや、先輩個人のです!』
『わ、私個人の?後輩くんとのツーショットじゃなくて?』
『俺、先輩の写真待ち受けにしたいんで、余分因子はいらないんです!』
『んー……なーるほど?』
少々納得していなさそうな顔なものの、こくんと頷いて撮らせてくれる。そしてその後に先輩は俺の横に無言で並ぶと、自撮りをするような形で俺とのツーショットも撮っていった。
『じゃあ、私は後輩くんとのツーショットを待ち受けにするよ!』
『せ、先輩の待ち受けにですか?』
『うん!ダメかな?』
『いえ、もちろんどうぞ!』
俺は首を高速で縦に振った。
うん、あの時の俺、多分すごく調子に乗ってたなぁ。
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