第224話
第224話です。
バイト先から家に帰って早々、私はぼふんっとベッドにダイブした。
アスナさんと同じバイト先。私達とアスナさんが出会ったあのライブハウスだ。コミュニケーションを取るのがあまり得意ではない私はあくまで事務的なチケット販売や、ドリンクの提供の方に徹している。あくまでマニュアル通りに。
最近知った事なのだが、私はどうやら普通のコミュニケーションが苦手なだけであって、マニュアルという便利なものさえあれば何とかなるらしい。そりゃ、コミュニケーションを取る事に長けた人や、アスナさんみたいに慣れていて咄嗟のハプニングにも対応出来る人に比べると劣るものがあるのは否めない。けれど、それでもまだこうして働けているだけ良かったと思うのだ。
ベッドから立ち上がると私はカバンに常に携帯してるスティックを取り出す。そして電子ドラムにヘッドセットを接続してから諸々の調整をした後に軽く叩いた。
カオリさんがオーディションのために作った「鋭利な恋心」。私はChatnoirの中でこの曲が1番好きなのだ。理由はまぁ、色々とあるが、1番は広島に住んでいた頃の記憶を思い出すからだろう。
あの頃は、私を巻き込んだ恋のいざこざが沢山あったから。
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