第223話
第223話です。
スマホのアラームで目を覚ます。時刻は6時。
「よし、今日もちゃんと起きれた」
ベッドの上から立ち上がると俺は部屋を出て洗面所に向かう。鏡に向き合ってから顔を洗うとリビングに向かって朝食を軽く摂った。その後また部屋に戻ると椅子に座って机に向き合った。
机の上に広げられた英語の問題集。俺はそれと向き合いながらノートに問題を書き写して解いていく。
俺は今年で高校3年生。先輩の卒業を終えた次の年なのだ。そして俺は受験生なのである。
東京の私立文系の大学を目指して合格するために早いうちから規則正しい習慣を身に付け、そしてこうして何の苦痛もなく朝の勉強を始められる段階にまで至った。
先輩に東京の大学を受けなよと言われてからもうしばらく経つ。俺は元々これといった目標が無かった。だからこそ、先輩のこの言葉は俺にとって明確な指標となって光を示してくれたのだ。それがいかにありがたく、助かったことか。
先輩だけじゃない。アスナさんにも勉強はよく助けてもらう。アスナさんはかなり学力が高いらしく、俺の分からないところも分かりやすく伝わりやすいように教えてくれるのだ。おかげで俺の成績はみるみるうちに上がっていった。
俺のこの1年は多分、先輩達にどうしても頼りきりになる気がする。だけど、俺はそこはもう割り切って受け入れることにした。恩返しは卒業して桜咲いた後だ。それまでは俺のやれる事を全力でやる。
◆◇◆◇
私は今年で高校3年生だ。だけど世間一般の高校生とは違って勉強に追われたりはしない。私は音楽の道一本に絞って進むから。
普通の親なら叱ってでも進学させようとしてくるだろう。けれど私の両親は放任主義かつ、私のしたい事を第一に考えて尊重してくれる。だから、バンドを組んだ事を親に話した時も嫌な顔1つせず認めてくれて、そして全力を尽くせと応援もして貰えたのだ。
だから、私は本気でバンドに取り組む。天才にもセンスの塊にも負けないように努力で食らいつくのだ。
それと加えるなら……、
「京弥にも負けてられないよな」
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