第217話
第217話です。
「続きまして、エントリーナンバー7番。Chatnoirですっ、どうぞー!」
司会が私達のバンド名を呼ぶ。舞台袖から私達はギターとベースを担いでステージの上に立った。
「皆さんこんにちは!Chatnoirですっ!今日はオーディションも兼ねていますが、皆さんのことを楽しませることを第一に頑張って演奏しますので、ぜひ聞いて下さいねっ!」
軽く挨拶だけしてから、私は後ろを見てメグさんとアスナちゃんに合図を送る。メグさんは私の合図を確認してから、スティックをカンカンっと叩いてドラムのイントロに入った。
1曲目からこの時のために作った曲だ。「START Again!!!」、「花火」に続く3曲目。
「鋭利な恋心」
曲名からでも分かる通り、これはラブソングである。ただ少し違うのは、この曲で描かれる恋は純愛なんかじゃない。ドロドロの大人なもの。そして悟りきった中でも鋭くお互いを傷つけ合うような、そんなラブソング。
曲調は激しさの中にどこか冷めた落ち着きのある感じのあるもので、シンプルにリズムに乗ることもできるし、歌詞を楽しむことも出来る。2つの楽しみ方を出来るように工夫してみた。
曲の最後にギターとベース、そしてドラムの締めくくりが来ると、会場には静けさが戻ってくる。
「初めはChatnoirで鋭利な恋心でしたっ」
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