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第216話
第216話です。
「ぷるるる……」
発声を良くするために私は楽屋で唇を震わせる。
舞台の方から聞こえてくるのは私達の1つ前のバンドの演奏だ。
この二次審査では一般のお客さんの前で演奏すると同時に、3人の審査官に合格かどうか判断される。ここで残れるのはたった1つのバンドだけ。今日この会場に訪れたバンドは総勢20を超える。20というかなりの数の中で勝ちを取るためにはかなりの印象を残さなければならない。
「ふっ、ふっ、ふっー」
呼吸を整えてから精神を集中させると、私は椅子から立ち上がりギターのチューニングを済ませてしまう。
「カオリさん、緊張してんの?」
後ろからコーヒーを飲むアスナちゃんにそう聞かれる。
私は振り返りながらニッと笑った。
「いいや〜?むしろ楽しんでるよ!」
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