第215話
第215話です。
ついに例の結果の発表日だ。私達はいつものスタジオでスマホを取り囲んで座る。
「ひ、開くよ?」
私がそう尋ねると2人はこくりと頷く。
固唾をごくっと飲み込んでから、結果の発表をしているサイトをタップして開く。
しばしのローディング時間を挟んでから、パッと1次オーディション通過グループ発表という文言が目に入る。通過したグループ名は少し下にスライドした箇所にあるそうで、すぐには分からなかった。
「ふ、ふぅー……緊張する」
「わ、私もです……」
「私は、別に」
各々が各々の反応を見せてから、私は「よしっ」と言葉を漏らして一気にグループ表を見た。
「しゃ、しゃ、しゃ……」
全体的にアルファベットで始まるバンド名が多いせいで、すぐにChatnoirの名前を見つけられない。頭文字がCのものだとしても、全く違うところのだったりする。
「……」
「見当たらない……いや、あった」
「えっ!?」
中々見つからなくて半ば諦めムードの漂っていた中、アスナちゃんがそう言う。私達は思わず体を乗り出して、アスナちゃんの指差すところを見た。
指の差すところには「Chatnoir」の文字。
「あぁった!!!」
「や、やりましたねっ!」
「ん、まぁ当然」
ここでもまた各々が各々の反応を見せて喜ぶ。
私は後輩くんに1次審査通過の報告をすると、グッとガッツポーズをした。
まだたった1歩進んだだけに過ぎない。次は生の音で、演奏で、審査官の心を貫いてやるのだ。
メジャーデビュー。それをかけた戦。
Chatnoirの底力を見せるのだ。
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