表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/311

第198話

第198話です。

 後輩くんとの思い出を頼りにぐるぐると歌詞を頭の中で紡いでいく。

 今回は初めて東京に行った時のこと。後輩くんによるボディガードと初めての深夜バスの体験が印象に強い。ひんやりとした冬の日なので記憶に白っぽいモヤがかったようなイメージだ。


「吐く白い息とか入れてもいいかもね〜」


 カリカリとシャーペンを動かしながらそう呟く。

 しかし、後輩くんとの思い出に頼り始めた途端に、歌詞がスラスラ出てくるのは自分でもいかがなものかと思う。本当にさっきまでのあの苦悩は何だったのかという感じだ。

 しばらく乗った勢いに任せてペンを走らせていると、テーブルの上に置いていたスマホがブーッと震える。見てみるとアスナちゃんからメッセージが届いていた。


『すみません。明日の合わせ練習にもしかしたらクラスの子が来るかもしれません』

『クラスの子?』

『はい。去年の文化祭でやったChatnoirの演奏を覚えてたらしく、色々と話を聞かれるうちにポロっと明日の事を漏らしてしまって』

『なるほどね』

『やっぱり来ないように強く言った方がいいですよね?』

『いや、来る分にはいいんじゃない?』

『そうですか?集中にも影響が出そうですし、何よりその子バンドこそ聴けど、楽器とかの機械に詳しい訳じゃないんで、もしかしたら何か変に触って壊すかも』

『その子、物凄い言われようだね』


 メッセージの後に苦笑いをうかべる猫さんのスタンプを送ると、アスナちゃんから『真面目な話ですから』と真顔の絵文字が送られてくる。

 まぁ、確かにアンプとかを壊されたらひとたまりもないが、椅子にさえ座ってもらえたら変に動くこともないだろうと私は思うのです。


『まぁ、ひとまず連れておいで』


 私はそう返信するとまた歌詞作りに勤しみ始めた。


ぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!次回は27日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ