第181話
第181話です。
1時間後、後夜祭がスタートした。と言っても基本は生徒の団欒タイムの延長に過ぎない。生徒会主催のフォークダンスもあるみたいだが、それはあくまで最後のイベント。そこまでの時間は先輩達がお昼に使った舞台に生徒が立って、お笑いをしたり、これまたバンドの演奏をしたりということが行われる。
これでは昼と変わらないじゃないかと思うかもしれないが、昼は一般人の人もいたので、完全にお客さんが生徒だけになるという点においては少し違うだろう。あとは、夜になることによって、ソワソワし出す男女が出てくる程度だ。
告白するのかされるのか。はたまた2人だけの時間を楽しみたいのか。そこのところは私には分からないが、まぁ、青春ぽい事には違いない。
「私達はどうしよっか?」
隣に立つ碧染くんにそう尋ねる。
「そうだなぁ。昼は基本先輩の付き添いばっかりしててお笑いとかをしてたクラスに行けてないし、そっちも見てみたいけど」
「けど?」
「夜は夜で、先輩1人による弾き語りがあるらしいんだよね」
「らしいって、知らなかったの?」
「聞かされてなかったんだよな。というかバンドの方に集中しすぎて、先輩も今日の演奏後に文化祭実行委員に予定を聞かされた時に思い出したくらいらしいし」
「あらら」
「まぁ、迷うとしたらそれくらいかな」
「なるほどねぇ。あれ、だけど時間帯が被ってるのか。お笑いがお昼の舞台で……先輩の方は体育館ねぇ」
そう言うと碧染くんはこくんと頷く。
「だからどっちかにしか行けないってところで悩んでる」
「うーん、私なら先輩の方に行くけどなぁ」
「そっか」
「うん。よし、じゃあ碧染くんは悩んでるみたいだし、予定は私が決めてもいいかな?」
そう提案すると碧染くんは「いいよ」と同意してくれる。
こうやって素直に聞いてくれるとやりやすい。
「という事で、体育館にしゅっぱーつ!!」
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