第174話
第174話です。
二曲目もコピーらしく、ハイテンポな点で言えば一曲目と同じだ。違う点で言うとすればそれは歌詞に含まれる意味の深さの違いだろう。
先程のは「イェーイ!10代の今を楽しもーぜ!」といった内容のもの。対するこちらは曲調こそ明るいものの、歌っているのは失恋の話だ。だから、聴く人が聴いたら、明るい曲調にも関わらず涙が出てくるかもしれない。まぁ、今日に限ってはそのような人はいないようだが。
碧染くんは相変わらず赤坂先輩達のことをジッと見つめている。ステージ上で楽器を弾く3人は先程とは打って変わった表情をしていて、碧染くんが見つめてしまうのも分からないでもない。
赤坂先輩は元々綺麗でカッコよかった顔が、さらに磨きがかかって見えるし、何よりドラムとベースの2人も相当な美形だ。女子の観客は目指すべき目標として、男子は憧れの的として3人を見ていた。
私もあの人達みたいになれば碧染くんに見てもらえるのだろうかと思いながら、演奏を聴く。
◆◇◆◇
何曲か弾き終えた後に赤坂先輩がマイクを手に取って話し始めた。
「次に弾く曲は私達の初めてのオリジナル曲です。青春はまだまだこれから、そんな意味を込めた曲なのでぜひ盛り上がって下さいね!」
オリジナル曲という単語に会場はざわめく。まさか、ただのコピーバンドではないのかとみんな思ったのだろう。私も思った。
「ではいきます。START Again!!!」
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