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第171話

第171話です。

 利根里さんに文化祭後に話すことを伝えた後、しばらくすると校内スピーカーが作動する。


『有志の出し物をする人は文化祭本部に集まって下さい』


 放送で俺達を含めた有志の人達が呼ばれる。

 俺達とは言ったが、正確に言うと俺は招集されたメンバーではない。ので、途中までは着いて行くものの、着いてからは先輩に全てお任せだ。


「後輩くんも待機所に入れてくれたらいいのに」


 先輩は唇を尖らせながらそう呟く。


「いや、そもそものメンバー登録の段階で俺の名前を書いてませんし、そもそもメンバーじゃないので。あくまで付き添いです」

「ぶー、付き添いでも実質メンバーじゃん!」

「いや違うでしょ」


 キッパリとそう言い切るとさらに先輩は唇を尖らせた。


「むぅ……おかしいよ」

「何がですか?」


 尋ねると先輩は小さな声でポショポショと話し出す。


「私が音楽をやるって決めてからずぅーっとサポートしてくれてたのは後輩くんなのにさ、楽器を弾かないからってだけでメンバーじゃないって言うのがだよ」

「……確かに楽器は弾きませんけど」

「でも逆に言えばそれだけでしょ?」

「いや、それが一番の問題なんですって」

「じゃあ後輩くん!楽器を弾けるようになりなさい!」

「無理です」


 なんてやり取りをしていると本部に辿り着いた。

 テントの下には文化祭実行委員のメンバーと、先に来ていた他の有志の人達が順番などの最終確認を行っている。


「ほら、先輩着きましたよ。早くアスナさん達と一緒に打ち合わせに行ってきてください」

「……その代わりちゃんと見ててよ」

「そりゃあ、もちろんですよ」

「なら、よし」


 そう言ってから先輩はアスナさんとカオリさんを伴ってテントの下に向かった。俺はそれを見送ってから、先輩達の立つ舞台が見えやすい位置を先に取っておく。既に何人か来ている人もいるが、スタートまではまだ時間があるので沢山いる訳ではない。

 スマホを取り出してスケジュールの確認をしながら、前回アスナさんの学校で披露した演奏を鑑賞することにした。

 うん。やっぱり先輩達はすごい。そう感じさせるには十分過ぎる演奏だ。

 魂に語りかけるというか、自身の内側から何かが湧き出てくる、そんな感覚に陥る音楽なのだ。だから、何回も聴きたくなってしまう。先輩には伝えていないが、こっそり家で何度もこの映像を見ているのだ。寝る前にいつも見て、明日を生きる気力に変えている。というか明日を生きる気力として十分な効力を発揮するくらい、この『START Again!!!』はすごい。

 早くここにいる全員にその凄さを味合わせてやりたいと思いながら、俺は1人楽しむ。


ぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!次回は、4日です。

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