第167話
第167話です。
音楽室にドラムを運び終えると、俺とメグさんとで協力して組み立てた。アスナさんと先輩はスピーカーにコードを繋いで音が鳴るように設定している。
「あの……ありがとうございます」
「いいえ。俺が出来るのはこれくらいなんで」
「そ、そんな事は」
「そんな事はありますって」
笑いながらそう返すとメグさんもクスりと笑ってくれた。
あまり見ることの無いこの人の笑顔は貴重なのでしっかりと記憶に焼き付けよう。それよりも、今は本番までにしっかりと調整することのが大切だ。
準備が終わっていたらしいアスナさんはイスに座りながら弦を弾いてチューニング作業を始めている。当然それは先輩も同じ。
少し離れた所に移動して俺はその様子を眺めた。
屋上でも思ったが、やはりこの3人でいることがだいぶ様になってきている。ほんの数カ月前までは赤の他人同然だったにも関わらず、今では一緒にいないと変な感じさえするくらいだ。
ただひたすらに順調に進んでいく3人の活動をこれだけ近くで見られるということに感謝しながら、俺はじっと眺め続ける。
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